契約 ページ15
ユンギは納得したようなフリをしたが、チカの表情が切なそうにみえて自分自身も切なくなるのだった。
ユンギは、フーッと一息つくと立ち上がり椅子を片付ける。
YG「チカ、婚期を逃したら、俺のとこへ来るか？」
そう言って、チカの隣に座った。
チカ「えぇ？オッパがそんな冗談いうなんて意外なんだけど笑」
チカが笑ってそう言うと、
YG「まぁ…そんな冗談でもないけど」
チカ「え？」
これはユンギの告白なのかと一瞬耳を疑うチカ。
YG「俺も今のところ、結婚に興味ないし、一人寂しい老後は嫌だしな。年取ってもお前と一緒にいたら退屈しなさそうだし、兄妹仲良くやっていくのも悪くないだろ」
チカ「ふふっ、オッパァ、酔いつぶれたらまたおぶって帰ってくれるの？」
YG「あぁ、まかせとけ。ちゃんと足腰鍛えておいてやるよ」
「防弾少年団のマネージャーになると老後の保証までして貰えるんだ」
YG「誰でもじゃないぞ、限定1名だ。今のうちに契約しとくか？」
「契約？」
ユンギは、不思議そうな顔をしているチカの体を引き寄せて優しくおでこにキスをした。
チカは驚いて目をぱちくりする。
ユンギは笑いながら、キスをした部分に指をあて、
YG「ここにサインしといた」
「サ、サイン？」
顔を赤くして、動揺するチカ。
YG「おい、おでこにキスしたくらいで赤くなるなよ」
「あっ、あのっ、ん…、オッパにこういうことされるのには免疫がなくて」
YG「免疫って、テヒョンともっとすごいことしてるだろ」
内心、余計な発言だったと後悔するユンギ。
そう言われて、耳まで真っ赤にして、返事に困るチカ。
テヒョン以外の男性とのスキンシップには慣れないというか、あり得ないと思っているのか…。
そして、少し考えた後、一言。
「ひょっとして、私達のこと隠れて見てる？」
YG「っんな訳ねぇだろ。なんで、そうなるんだ。付きあってたら、それくらい当たり前だと思うだろ」
「そっ、そうだよね」
変態扱いされて焦るユンギと、変にユンギを意識してしまうチカ。
テヒョンが戻るまでの数十分が微妙に長く感じる2人だった。
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作者名：happiness | 作成日時：2022年10月9日 21時
