鷹の広報ちゃん.5

素敵な人 ページ8

甲斐side


今日は俺のキャンプの取材にAちゃんが来ることになっていた。
午前中とは聞いていたけど…いつ来るんだろう。ちゃんと来られるかな、1人で大丈夫かな。
迎えに行った方がよかったかな。と入口のあたりをウロウロしていると…

タクシーから降りてきたAちゃんの姿を見つけた。
俺は一直線で走っていった。



「Aちゃん！」

「あ、甲斐くん！お疲れ様〜今休憩？」

「そう、Aちゃん来ると思って」

「今日よろしくね」

「こちらこそ〜荷物持つよ」

「いいよ！大丈夫！」

「じゃあ、せめてキャリーだけコロコロさせて」

「…じゃあ、お願いします」



そう言って2人で球場内に入る。
荷物を適当な場所に置いて…聞きたくて聞きたくてどうしようもなかったこと。




「Aちゃん…巨さんにもらったんでしょ？」

「っ、千賀くん、本当に言ったの！？」

「電話来た」

「そんな大げさな…」

「でも…うん、似合ってる」

「…ありがと」



Aちゃんは元からアクセサリー類は付けないから…
凄く珍しい。でも、巨さんからのプレゼントで凄くAちゃんに似合っている。



「Aちゃん、良い表情してる」

「何それ、甲斐くんは自主トレどう？嶋選手と一緒でしょ？」

「そう！凄く良い経験だし勉強になる」

「いいね〜。甲斐くん楽しそう」

「…うん、楽しい」



こうして新しく吸収できることがあって、楽しく野球ができて…

それもこれも、こうしてAちゃんみたいにスタッフさんたちがいてくれるから。



「そう言えば、この後巨さんの所行くんでしょ？」

「え、何で知ってるの？」

「あ…えーっと…違う広報さんから教えてもらって！」

「そうなんだ。うん、巨さんの所…行く」

「…嬉しそうだね」

「…いやいや、公私混同はダメです！」

「もうその言葉通用しないと思う」

「え…」




数年前から公私混同…というか、野球も恋愛も一緒だった2人だから…今更感ある。
でも、俺たちはそれで元気もらえたし全然問題はない。




「俺の所はちゃっちゃと済ませて、巨さんの所行ってきな」

「しっかり済ませます！」




実は、巨さんから連絡があった。
遅くなりそうだったら、迎え行くから教えてって。

多分…夕方ごろになると、毎回思いだしてしまうのを考えているんだろう。
なるべくその時間帯から夜は一人にさせないようにしてる。


巨さんは誰よりもAちゃんを愛して…守って…支えてくれている。

(素敵な人です)

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