鷹の広報ちゃん.5

あの時も君のことを ページ38

巨side


今となっては二人でご飯に行けるようになったけど…
昔は色々あったなー。なんて思い返したら少し笑えてきた。



「Aちゃん」

「ひ、東浜さんっ！お疲れ様です」

「…名前、呼んでくれないの？」

「っ〜！」

「この前呼んでくれたのに…」

「な、っな、おさん…」

「…お疲れ様」

「っ〜！」



顔を真っ赤にしながら俯いてしまうAちゃん。
その姿が可愛くて愛おしくて…いじめたくなっちゃう。




「仕事終わったら、直帰？」

「はい！」

「…もしよければ、ご飯行かない？」

「…ごはん？」

「そう、俺と…夕飯でもどうかなって」

「…っ！？！？！？」




あーフリーズしちゃった。
キャパオーバーすると固まる姿をたびたび見る。
和子さんとかは慣れてるけど…俺含め選手たちは結構慌ててる。



「どうかな…よければ、だけど」

「あ、あの…私が、行っても、その…」

「Aちゃんと、ゆっくり話したくて。
無理とは言わないけど…」

「…ご迷惑じゃ、なければ…」

「っ！ほんと？ありがとう…。
仕事終わるまで待ってるから」

「す、すみません！すぐに終わらせます！10分…いや、5分で！」

「急がなくていいよ。この前転んでたし」

「見られてた！」

「ゆっくりでいいから…待ってるね」



そう言って、Aちゃんはパタパタと走って片付けをしに行った。
よかった…誘えた…。年甲斐にもなく緊張なんかして…。
なに話そう。どこ行こう。勢いで誘ってしまったからお店決めてないし…Aちゃんの好きなものも知らない…。

Aちゃんを待っている間…お店選びをしつつも意識はどこかへ飛んで行っていた。




「東浜さん！お待たせしました！」

「あ、おつか…れ？」

柳「お疲れ様やなー！なおー！」

福「待ってる姿もカッコいいとかずるいな、おい！」

巨「…お疲れ様です」

「お二人に丁度お会いしまして！
ギータさんも福田さんも巨さんとご飯行きたいと…」

柳「Aちゃんの慌てようがココイチ凄かったから聞きだしたら…なんや、ご飯行くんじゃろ？俺らも一緒に行っちゃるわ」

福「まぁまぁ、二人のことは邪魔しないから。空気だと思って」

巨「…まぁ、いいか。行こう、Aちゃん」

「はい！」

柳「もう、二人だけの空気…」

福「セコム働きまーす」


こうして邪魔者が乱入してきたけど…最初のころのご飯も楽しかった。
あの頃から変わったことはたくさんあるけれど…


(君のことを好きなのは変わらない)

2/22と言いますと…→←野球ができる幸せ

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