ゆっくり進もう ページ35
巨side
「…緊張しすぎ」
「ご、めんなさいっ!」
「謝らないでよ。隣座っていい?」
「はい…」
一緒に住み始めて数日。
Aちゃんは相変わらず緊張していた。
今も俺が風呂からあがってきたら…大きいぬいぐるみを抱えてソファーの端っこに小さく丸まっていた。
下から覗きこむようにAちゃんと距離を詰める。
「っ!?」
「照れてる」
「あ、あの…」
「…キス、していい?」
「っ〜」
「…いい?」
そう聞くと小さく頷いてくれた。
首の後ろに手を回して…触れるだけのキスをする。
でも、離れたらすぐにキスしたくなって…何度も何度もキスをする。
抑えなくちゃ…怖がらせちゃう…そんな事思ったけど、時々もれるAちゃんの甘い声に惑わされて…気がついたら、押し倒して無我夢中でキスをしていた。
「な、おさんっ…んっ…」
「可愛い」
「っ…」
「すきだよ」
「あっ…」
「…このまま、…」
続きしてもいい?そう勢いで聞こうとした時…俺の下にいるAちゃんが…震えていた。
あ…俺は、また間違った選択をしてしまった。
「ごめんっ…大丈夫、ゆっくり呼吸しよう」
「あっ…ふっ…ハァッ…」
「ごめんね、ごめん…怖かったよね。ごめん」
「ハァ…ァッ…」
「大丈夫…大丈夫だから」
そう言って落ち着かせるけど、うまくいかない。
結局、無理やり薬を飲ませて…なんとか落ち着かせた。
ぐったりと俺にもたれかかるAちゃん。
「すみません…ごめんなさいっ」
「なんでAちゃんが謝るの…」
「巨さんなら、怖くないって、思ったのに…」
「…」
「巨さんだって、分かってるのにっ…私、最低だっ」
「Aちゃん…」
「大好きなのにっ…私、私っ!!」
「A…好きだよ」
「っ…」
「Aは悪くない。今回は俺が悪い。
ごめんね、怖かったよね…もっとゆっくりしなくちゃいけないのに…
Aが可愛いからって…止められなかった。
俺の事止めてくれてありがとう」
「な、おさん…」
「ゆっくり…ゆっくり慣れていこう…俺が言える立場じゃないけど」
「…」
「大丈夫…俺が一緒にいるから」
「…巨さん」
「ん?」
「…私の事、好き、ですか?」
「…」
あまりにも不安そうな目で俺を見てきた。
ゆっくりと頭を撫でながら…まだ止まっていない涙を拭って…
「…好きだよ、愛してる」
「私も、好きです」
その言葉に…
(俺も泣きそうになった)
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妙カマ - 久しぶりの更新とっても嬉しいです!毎回楽しみにしていますし、楽しく読ませていただいています! (2022年5月21日 8時) (レス) @page48 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - ガルちゃんの勘違いから始まりどうにか場を凌ごうとする通訳さんw 爆笑するグラさんを想像したらもう最高です(^^) (2022年4月10日 22時) (レス) @page45 id: 89596a4d56 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ガルちゃんの勘違いと通訳さんの必死さが伝わって笑ってしまいました(笑)それに笑ってるグラ様もww最後には巨くんが爆弾を投下して、この後の展開も気になります☆ (2022年4月10日 21時) (レス) @page45 id: 5f3212ce6c (このIDを非表示/違反報告)
南海(プロフ) - はじめまして!!!更新ありがとうございます♪大好きなお話なので嬉しいです(*^^*)これからも頑張ってください☆彡 (2022年3月25日 23時) (レス) id: 46bd635445 (このIDを非表示/違反報告)
asa(プロフ) - ゆきさんこんばんは!更新ありがとうございます(*´∀`)ノいつでもかわいい広報ちゃんとかっこいい巨さん♡今シーズンも2人を見守り続けます!今後もゆきさんのペースで更新してくださいね! (2022年3月25日 20時) (レス) id: 4ab1746ea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2020年1月13日 20時