お見送り ページ4
巨side
Aちゃんが新年早々仕事に復帰することになった。
そのためにもAちゃんは一回福岡に戻る。そして、選手たちの自主トレを回るらしい。
正直…正直な所、凄く行かせたくない。
仕事だからしょうがないけど、まだ夜だって目を覚ましてしまう時があるし、夕方になると怖くなるのか泣いてる時もある。
あの時の傷が癒えてないのに、Aちゃんを一人にさせたくない。
そんな事を思いながら那覇空港の駐車場で時間をつぶしていると…
「…すみません」
「なんでAちゃんが謝るの」
「私が、頼りないから…」
「…」
「…もう少し、しっかりしてれば」
「…頼りないとかじゃないよ。
Aちゃんは頑張ってる。しっかりは…うん、してないけど」
「うっ…」
しっかりはしてないです。しっかりしたいですけど…できないです。
って隣でずっと唱えてるけど…そこがいい所だって気がついてないあたりが可愛い。
「私、行きますね」
「…」
「…ありがとうございました」
「…困らせるってわかってるけど」
車から降りようとするAちゃんの腕を掴んで引き寄せて…抱きしめた。
「…行かせたくない」
「っ…」
「本当に、行かせたくない。できるならこのまま連れて帰りたい」
「…」
「…わかってる、頭では分かってるけど。
俺が耐えられない。Aちゃんが傍にいないことが…耐えらない」
「巨さん…」
「ごめん…」
この一か月、ずっと傍にいたから…離れることを考えると耐えらない。
また会えない日々が続く。また…Aちゃんを一人にさせてしまう。
「…夜、電話…しても、いいですか」
「…うん。電話して。俺もするから」
「…」
「…怖くなったら、耐えないで。俺じゃなくても…よくないけど、誰かにちゃんと言って」
「はい」
「ダメだって思ったらいつでも戻ってきていいから」
「はい…」
「…一人で、頑張らないでね。泣かないでね。
俺がいる事…忘れないで」
「忘れません…」
なんて言ってもAちゃんはきっと一人で頑張って泣くんだろう。
流石に飛行機の時間が…と言う事で搭乗口まで送る。
「巨さん…」
「…気を付けてね。着いたら連絡して」
「はい。巨さんも、お気を付けて」
「…いつもとは、逆だね」
「え…?」
「…いってらっしゃい、Aちゃん」
「っ〜…いってきます!」
俺は…Aちゃんが…
(ただいまと言う場所になりたいと思った)
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妙カマ - 久しぶりの更新とっても嬉しいです!毎回楽しみにしていますし、楽しく読ませていただいています! (2022年5月21日 8時) (レス) @page48 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - ガルちゃんの勘違いから始まりどうにか場を凌ごうとする通訳さんw 爆笑するグラさんを想像したらもう最高です(^^) (2022年4月10日 22時) (レス) @page45 id: 89596a4d56 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ガルちゃんの勘違いと通訳さんの必死さが伝わって笑ってしまいました(笑)それに笑ってるグラ様もww最後には巨くんが爆弾を投下して、この後の展開も気になります☆ (2022年4月10日 21時) (レス) @page45 id: 5f3212ce6c (このIDを非表示/違反報告)
南海(プロフ) - はじめまして!!!更新ありがとうございます♪大好きなお話なので嬉しいです(*^^*)これからも頑張ってください☆彡 (2022年3月25日 23時) (レス) id: 46bd635445 (このIDを非表示/違反報告)
asa(プロフ) - ゆきさんこんばんは!更新ありがとうございます(*´∀`)ノいつでもかわいい広報ちゃんとかっこいい巨さん♡今シーズンも2人を見守り続けます!今後もゆきさんのペースで更新してくださいね! (2022年3月25日 20時) (レス) id: 4ab1746ea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2020年1月13日 20時