鷹の広報ちゃん.5

簡単に崩れる ページ16

巨side



一応あの場はなんとか収めて…頭が回らないまま一日の練習を終えて…シャワーを浴び終わったら…
内さんにサロンに連行された。
そこには、明石さんや健太やギータさん…晃さんや千賀と拓也に牧原もいた。




千「…あの人誰っすか」

巨「…元カノ」

甲「元カノさん、ですか。そうですか…別れたつもりなかったみたいですけど」

牧「巨さんの元カノはAちゃん突き飛ばしてあんなところに入ってくる人なんですか」

巨「…」

内「お前ら落ち着け…」




千賀が今にも殴りかかってきそうな勢いだった。
俺も殴られる覚悟はしていた。



明「いつ付き合ってた人？」

巨「…Aちゃんが球団に入ってきた時くらい…だったと思います」

明「何してる人？」

巨「…たしか、モデル、とか…だった気がします」

明「あんまり覚えてない感じか…若気の至りね」

巨「…付き合ってって言われたので…流れで。
でも、野球に専念したいからって言って、別れました」

今「一方的にっぽいですね」

巨「…だったかも」

今「…巨さん、クズっすね」




健太の言葉がグサッと刺さった。




晃「…俺たちさ、別に巨の昔の付き合いをとやかく言うつもりはない。
ただ…あの女を振り払ってでもAちゃんに駆け寄るべきだろ」

巨「っ…」

柳「…俺、キレそうなんじゃけど。お前なにしとんじゃ。Aちゃんの事好きなんじゃろ？
それなのに…何他の女に優しくしとるん？理解できん」




ギータさんはもうキレていた…誰が見ても…怖くて、怒りが全身から出ていた。




内「巨、この件は明日中に片付けろよ。俺たちだって巨だってAちゃんだってこんな事してる場合じゃない」

巨「はい…」

内「俺は…巨の隣にいるのはAちゃんが一番だと思うよ」

巨「…」

明「これで自信なくしたとか言ったら…お前の後ろ守らないからな」

千「巨さん…」

巨「なに？」

千「…Aちゃんの事、幸せにしてくれるんですよね？」

巨「…」

千「っ、きっとこれからたくさん辛いことあります。泣きたくなることがあります。
Aちゃんに怒ることだって呆れることだってあります！
でも！その何倍も、Aちゃんを幸せにしてくれるんですよね？！」




これから先、喧嘩しないことなんてないだろう。泣かせることだっていっぱいある。
怒らせることだってたくさんあるだろう。
それでも…それでも、俺は…俺が、



(幸せにしたい)

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