鷹の広報ちゃん.5

違う空の下で ページ14

「ギータさん、何されてるんですか？」

「Aちゃんやー、暖かいから日向ぼっこ」

「…日向ぼっこ」

「隣どう？」

「…少しだけ」



グラウンドの端っこでギータさんが一人で座っていた。
気になって声をかけてみたら…日向ぼっこをしていたらしい。

その言葉に少し寂しさを覚えた。



「…俺たち二人だけになってもうたな」

「…ですね」

「…秀平元気にしとるかな。
いじめられてないかな」

「福田さんなら大丈夫ですよ」

「…飯友見つかったんじゃろか」

「…ロッテの皆さん優しいですからね」

「…ごめんな、俺だけで」

「なんでですか？私ギータさんとのこの時間好きです！」




私にとってこの時間はとても大切でかけがえのない時間。
寂しい。本当に寂しいけれど…ギータさんがいてくれるから、この時間を過ごすことができる。




「そう言えば…巨と同棲するんじゃろ？」

「ギータさんまで知ってるんですか！？」

「みんな知っとるよ」

「…」

「巨とAちゃんなら大丈夫やな！」

「…大丈夫、でしょうか」

「俺が大丈夫って言うんやから、大丈夫！」

「…」

「…俺じゃ、頼りないかもしれんけど…
相談とかしてもええから」

「…ギータさん？」

「…俺やってAちゃんの幸せ願っとる」

「っ…」

「…うまい返事ができるかは、わからんけど…」

「ギータさん…ありがとうございます」

「…うん」



ギータさんは勝手にお兄ちゃんみたいだと思ってるので…
隣にいてくれるだけで凄く心強かった。




「よし！今日飯行こう！宮崎の美味いもん食いに行こうや！」

「でも、私は…」

「あ、巨の許可が必要か」

「そういうんじゃないです！」

「あ、ちょうどいい所に…巨ー！！今日Aちゃんと飯行ってきてもええかー？」



少し離れたところでストレッチをしていた巨さんにギータさんが大声で声をかけていた。




「ぎ、ギータさん！？」

柳「巨に聞けばええんじゃろ？巨ー！」

巨「ギータさんと2人ですかー？」

柳「そー！」

巨「だめでーす！」

柳「え！？なんでじゃー！」

「ギータさん、声が大きいです！」

柳「あかん、どないしよう。駄目って言われた」

「ギータさん、落ち着いてください」





そんな事をして、スタッフさんたちに笑われて…
ここは周りにファンの方がいないけど…聞こえてないか心配で仕方がない。


日向ぼっこ仲間は減ってしまったけど…
また、違う空の下で…



(笑いあえたらいいな)

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