鷹の広報ちゃん.2 (ページ8)

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追いかけてページ8

今日は、巨さんに開けておいて…と言われた日。
そう、オフの初日。

昨日で秋季キャンプも終わり、長かった今年の野球が終わった。

「な、何着ていこう…」

毎回同じ悩みなのは自分が成長していないからで…
悲しくなるけれど、少しでも可愛いって思ってほしくて…

悩みに悩みぬいた。

お互いに少し休みたいね。と言う事になって、
夕方に巨さんが迎えに来てくれることになっているけれど…
朝から服を悩みすぎて気がつけば待ち合わせの時間だ。

お待たせさせないようにと思い、
マンションの前に出て行くと…

「巨さん！？」

「昨日ぶり」

「まだ時間…」

「Aちゃんが早く来ると思ったから、
その先を読んでみた」

「お待たせして、すみません」

「待ってないよ。ほら、乗って」

「あ、ありがとうございます！」

車に寄りかかって、手を振ってくれた巨さんを
私は忘れないだろう。
カッコよすぎて…もう、だめだ。

「Aちゃん、どこか行きたい所ある？」

「え、いや…私は、巨さんとなら…どこでも」

そう言っておいて、なんか恥ずかしいこと言ってる。

「俺も、Aちゃんと一緒ならどこでもいいな～」

「な、巨さんっ」

「顔赤いよ」

「だって…」

「よし、じゃあ少し早いけどご飯行こうか。
お腹空いてる？」

「はい！」

「この前、美味しい所教えてもらったから」

そう言って、目的地までドライブが始まった。
シーズンはどうだったとか、
来シーズンはどうしたいとか…色々。

「あ、そう言えば私ルーキーさんたちとお話ししました」

「へー、どうだった？」

「皆可愛かったです。夢に目を輝かせて…
なんかこっちまで嬉しくなりますね」

「…ふーん」

「な、巨さん？」

「…また、ライバルが増える」

「え？」

「んー、なんでもない。
来年からまた楽しそうだね」

「はい！凄く楽しみです」

「…Aちゃんって本当に野球好きだよね」

「好きです。野球もホークスも大好きです」

「いつから？」

「祖母が野球好きだったので、
福岡に来てからですかね。
これでも根っからのホークスファンです」

「そうなんだ。おばあちゃん好きだったんだ」

「はい！いつも一緒に見てました。
１回は連れてきたかったのですが…」

「…そっか」

「あ、すみません。こんなお話…」

「ん？Aちゃんの事知れて、
俺は嬉しいよ？」

あぁ、巨さんのこういう所、
素敵だけど心臓に悪いので…
控えめにお願いしたい。