君との幸せ ページ44
巨side
腕の中で動く何かに目を覚ます。
「…Aちゃん?」
「お、おはようございます」
「…おはよ。まだ寝てなよ」
「でも、朝ごはん…」
「いいから…」
腕の中で動くAちゃんは、
朝ごはんを作ろうと、俺から抜け出そうとしていた。
そんな事ダメ…と思いながら、ギュッと抱きしめる。
「な、巨さん…近いです」
「そりゃ、抱きしめてるからね」
「離していただけると」
「だーめ。このまま」
「は、破壊力っ…」
言っている意味はわからないけど、
抱きしめながら頭を撫でる。
「身体、平気?痛くない?」
「っっ!」
「照れた」
「だ、大丈夫、です」
「可愛かったな…Aちゃん」
「もういいです…」
「可愛い姿、皆に見せちゃダメだよ」
「巨さん、いじわるです」
「好きな子はいじめたくなるでしょ」
「っっっ」
「可愛い…」
「あ、あの、巨さん」
腕の中にいるAちゃんが、
俺の方を見てきた。
あ…やばい、この角度可愛い。
「いつもカッコいいのですが…
昨日は、その…もっと、カッコよくて…。
私、幸せすぎて死んじゃいそうです」
「っ…もう、Aちゃん、わかってる?」
「カッコいい事はわかってます」
「そうじゃない…あぁ、もう!」
この子は、全く…何なんだ。
Aちゃんの上の覆い被されり手を繋ぐ。
「な、おさん…?」
「…」
「巨さん?」
「好き」
「っ…!」
「好きだよ、Aちゃん」
「巨さん、あの」
「好き、大好き…愛してる」
「っ…まって、ください」
「泣いてる」
「だって…」
「Aちゃん、愛してるよ」
「わ、私もです」
「私も?」
「好き、です」
「それだけ?」
「…愛、してます」
「ありがと」
ちゃんと言えた。
ちゃんと言ってもらえた。
好き、愛してる。
ただの言葉と言われたらそれまでだけれど、
その言葉が必要だった。
触れるだけのキスをした。
言葉以外にも伝えたくて、何度も。
「な、おっ…さん」
「涙、止まらないね」
「もう、頭真っ白です」
「…ごめん、いじわるしすぎた。
起きよう」
Aちゃんの手を引いて、ベッドから起こす。
涙を拭って頭を撫でる。
「ごめん、やりすぎた」
「大丈夫、です。
巨さんの事、好きなので」
「…そういう所」
「?」
「はぁ、まあいいや。
起きよう。ご飯食べて…行こうか」
行く先は別々だけれど、
たどり着く先は同じだと信じてる。
(また一緒に…野球がしたい)
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作者名:ゆき | 作成日時:2019年3月12日 17時