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伝える事 ページ41

巨side



俺の一口を待っているのか、
少しそわそわしている。



「…美味しい。
Aちゃん、こんな美味しいもの食べて育ったの?」

「よかったです。
おばあちゃんのご飯とは比べ物にならないですよ」

「えぇー、俺凄く好き」

「っ…」

「うん、美味しい」




本当に美味しいご飯を食べながら、
2人で最近の事を話した。

久しぶりにゆっくりとした
二人の時間を取ることができた。

それが、凄く嬉しかった。



美味しいご飯はあっという間に食べ終わり、
片づけをする。
それくらいやる。と言ったけれど、
だめです!と思いっきり拒否された。

渋々風呂に入る。
その後、Aちゃんも風呂に入ってもらう。

本当は俺のTシャツとか着てほしかったけど、
そんな事したら、理性は崩壊するだろう。


今日…Aちゃんには、
伝えなくちゃいけないことがあるから。
そんな事していられない。




片づけも終わり、風呂にも入り…
2人でソファーに座る。
何も話さない…話せない。

そんな気持ちを抑えて…
ゆっくりとAちゃんの手を握る。




「Aちゃん、聞いてほしいことがある」

「…なん、ですか」

「俺さ、今一軍から離れてる。
全然結果出せなくて…ファンもAちゃんもがっかりさせてる」

「そんな事っ」

「あるんだよ。だから俺…「聞きたく、ないですっ」



俺から逃げるように手を引こうとするから、
状況反射でギュッと握ってしまった。
それでも、逃げようとするAちゃん。

俯いていて顔は見えないけど、
声は震えていて…泣いている。



「Aちゃん…?」

「嫌ですっ…。どんな巨さんでも、
私はっ…巨さんが好きです。
巨さんにまで…捨てられたら、私っ」



その言葉でAちゃんが考えている事がわかった。



「Aちゃん、話聞いて」

「嫌です!聞きたくないっ…
私、巨さんが好きでっ…大好きで…。
初めてです、こんなに離れたくないって思うの。
こんな事言って、巨さんの負担になってる事も、
重い女だって思われることもわかってます!
でもっ…もう、捨てられるのは、嫌なんですっ。
もう…大切な人が…いなくなるのは…耐えられないっ」

「Aちゃん…」

「ごめんなさいっ…ごめんなさい」

「A…好きだよ」

「っ…」

「俺はAが好きだよ。
Aが何と言おうと、何と思おうと…俺は好き。
だから、お願い…話聞いて」


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作者名:ゆき | 作成日時:2019年3月12日 17時

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