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とあるお約束 ページ38

「おはようございます!」

「おはよ…家の中で待っててっていったのに」

「巨さんを1秒でもお待たせすることはできません」

「…俺も同じなんだけど」

「待つのは得意です」



貴重なオフに…巨さんがでっでーとに誘ってくれた。
お断りする理由なんか見つからず、
すぐにお願いします。と伝えた。

車で迎えに来てくれた巨さんは、
相変わらずかっこよくて…言葉にならない。

とりあえず、乗って。と言ってもらい、助手席へ。




「次は必ず中で待ってて」

「…」

「待つの得意って言うのもだめ」

「でも」

「俺だってAちゃんの事待ちたい」

「…」

「だから、次は家の中で待ってて、ね?」

「…善処します」




やっぱり色々考えるけど、
巨さんをお待たせするのは嫌だ。

それに…家の中では…待ちたくない。




「Aちゃん」

「はい…」

「俺はちゃんと迎えに行くよ。
Aちゃんに会いに行くよ。
不安にならなくても大丈夫」

「っ…巨さん」

「よし、行こう。
今日もドライブでいい?」

「はい!」



それからカッコいい巨さんの隣で、
色んな話しをしてもらった。




「Aちゃんってさ、趣味とかないの?」

「趣味…ですか」

「そう、」

「巨さんはなんですか?」

「そうやってすぐに人の話に切り替える…」

「だって…思い浮かばなくて」

「…Aちゃんも野球漬けだからね」

「そうですね…野球以外考えた事ないです」

「それもそれでいいけど…」

「あ、でも…好きな事と言ったら、
料理好きです。美味しくはないですけど」

「へー、作るの?」

「はい、祖母に教えてもらってて…
時々作るようにしてます」

「今度食べたい」

「人に食べさせられるようなものでは…」

「食べたい」

「…具合悪くなっても苦情は受け付けないですよ」

「作ってくれる?」

「サロンって借りれますかね」

「そっちか…」




大きなため息を吐く巨さん。
何か変な事を言っただろうか。
やっぱり作るのはダメと言う事か…。



「直球に言うけど、俺の家で作ってほしい」

「…え?!」

「ということで、今度のオフ、来てほしい」

「無理です!」

「早いね…」

「巨さんの空間に行くなんて…
車でもいっぱいいっぱいなのに…」

「俺の空間にAちゃんがいてほしい」

「っ…」

「…それに、話さなきゃいけない事、あるし」




最後に言った意味はこの時理解できなかった。


とりあえず、私は…


(とんでもない約束をしてしまったようです)

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作者名:ゆき | 作成日時:2019年3月12日 17時

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