鷹の広報ちゃん.2 (ページ21)

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進んでいこうページ21

シャワーの音を意識してしまって…
どうしていいかわからなくなる。

とりあえず、自分のお風呂の準備をしたり…
諸々考え込んでいたりしたり…
気がついたら巨さんは既にお風呂からあがっていた。

「おまたせ」

「…」

「Aちゃん？」

「…」

シャワー上がりの巨さんは何度も見てきた。
でも…バスローブ姿で少し髪が濡れている巨さんは
見たことがない。当たり前だけど。

そんな巨さんを直視して…
思考回路が停止した。

「…おーい」

「っ、私もお風呂いただきます！」

巨さんの返事なんて聞かないですぐにお風呂に直行。

だめだ…あんな巨さん、受け入れられない。
受け入れるキャパなんてない。

カッコよすぎるよ。
セクシーすぎるよ…。

ずるい。私なんて、こんな子供なのに。
巨さんに取ったら…。

自分の体を見て、ため息しか出てこない。
悲しい気持ちを抑えに抑え…
お風呂から上がり、髪を乾かして…
似合わないバスローブを着て、
巨さんの所に戻る。

「…すっきりした？」

「は、い」

「なんか飲む？」

「あ、私はお水で大丈夫です。
ありがとうございます」

そう言って、お水を飲んで…
ツインのお部屋のようで、
巨さんが座っているベッドではない方に座る。

「隣、来てくれないの？」

「え、あ…えっと」

「…ごめん、急に」

「巨さん？」

「…困らせるってわかってた。
付き合ったのはついこの前なのに……ごめん」

「…」

「少しでもAちゃんと一緒にいたくて。
少し…焦ってる、俺」

ごめん…と俯きながらいう巨さん。
違う…私は、こういう巨さんをみたいんじゃない。

こういう気持ちにさせたいんじゃない。

「私、今日凄い幸せです。
一日中巨さんと一緒にいれて…
巨さんの事たくさん知ることができて。
私、今日で巨さんの事たくさん…好きになりました」

「っ…」

「あ、の…今から、怒られるような事、
してもいいですか？」

「なに？」

ここまで幸せな気持ちにしてもらったんだから、
少しでも…私の気持ちを伝えたい。

言葉にするのは苦手だから…

巨さんの隣に座り変える。
少し驚いた顔をした巨さん。

「…今日、本当にありがとうございました。
好きです、巨さん…」

私の中にいる勇気を総動員して…
巨さんに、キスをした。

この方法が一番伝わるって…教えてもらった。

伝わってほしい、私の気持ち…。