鷹の広報ちゃん.2 (ページ14)

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オフシーズン前ページ14

ファン感も終わり…ついにオフシーズンにはいった。

しかし、私はオフが好きではありません。
何故かというと…巨さんに会えなくなるからです。

「じゃあ、自主トレ沖縄組担当になってよ」

一緒に仕事をしていた広報さんから言われた一言。

「…え、でも」

「毎年Aちゃんは引きこもり組だけど、
今年は自主トレ組になればいいじゃん。
沖縄担当になれば会えるでしょ？」

「でも…」

「年上の言うことは聞いていなさい。
遊びに行けなんて言ってないんだから」

「いいんでしょうか…」

「いいんです。お仕事はちゃんとしてね」

「はい！」

毎年引きこもり組だったけど、
今年は自主トレ…。
仕事を与えてもらった喜びもある。

仕事を終えて家に帰り…巨さんに伝えたい。
と思いつつも、連絡できないでいる。

このまま何も言わずに行こうかな。
巨さんも私も仕事で行くんだし…。

巨さんは、ご実家に帰るんだから。

「うん、そうしよう」

なんて、心に決める。
会えるだけ嬉しい…
そう思いながら寝る支度をしていると…

「な、巨さんから電話？！」

どうしよう…なんて思って、スマホを見る。
出ないのも失礼だし…
意を決して通話ボタンを押した。

『Aちゃん？』

「はい！そうです。こんばんは」

『こんばんは。今平気だった？』

「こんばんは。大丈夫です。
どうかされました？」

『んー、声聞きたくなった』

理由にならない？
なんて言われた。
あ…だめだ。私、また寿命が縮んだ。

『…Aちゃん？』

「は、い！すみません…」

『大丈夫？』

「はい。なんか…巨さんと電話するなんて…
不思議です」

『…そうだね』

「…あの、巨さん」

『ん？』

「私、その…」

『ゆっくりでいいよ』

「…沖縄、担当になりました」

『え？』

「自主トレ中…沖縄担当に…なりました」

言わないほうが良かったかな。
どうしよう…手が震えてきた。

『本当に？』

「はい」

『…すげぇ、嬉しい』

「っ…」

『会えるってことだよね』

「は、い」

『そっか…。あのさ、オフの日、合わせられる？』

聞かれてる意味がわからないけれど、
はい、とだけ答えた。

『1日…俺に頂戴。沖縄案内したい』

「え？！」

『本当は…ずっと一緒にいたいけど、
流石に俺の実家に泊ってっていうのは早いし…。
1日だけ、頂戴』

「…はい」

よし。っという言葉が聞こえた。

楽しみな楽しみな…
自主トレ期間になりそうです。