１５５★ ページ35
自分の中の色んな部分に気づいた時…
それをAちゃんが教えてくれたって気づいた時…
Aちゃんはもう俺の一部で…
って事は俺の全部はもうAちゃんのもので…。
だって俺がこうやって今ここに立ててるのは…
こんな決心をできたのは…
全部全部…Aちゃんのお陰。
「俺は普通だし…この先もきっと普通で平凡な毎日しかあげられない。」
「それが幸せってものじゃないの？」
「うん…。」
両親を早くに失って苦労したAちゃんは、当たり前の日常を送れる事は本当は何よりの幸せだったりするって事をわかりすぎるほどわかってる。
「だけど…俺のこれからのその平凡な毎日はAちゃんと一緒だから過ごせると思ってる……過ごしていきたい。」
もう一度ギュッと握った手…
ジッと見つめた先に絡まった視線…
「俺と……結婚してください。」
俺とAちゃんの間にはキラキラと輝く眩い光が踊っていて…
この情景を見たくて…
このシチュエーションでプロポーズしたくてわざわざここまで来たのに、俺とAちゃんだけどこか別の世界にいるみたい。
妄想で何度も夢見ていた世界にいる自分がリアルなのにリアルに感じられない。
「私…普通で…『高嶺の花』なんかじゃない普通だけど…。」
「ん…。」
「翔くんとこれからも今日みたいな素敵な景色を見たい…。」
「ん…。」
「翔くんと幸せになりたい。」
その言葉を聞いた瞬間には抱きしめてた。
「いいの？本当に俺でいいの？」
これ時以上の幸せはきっともう味わえない…
そう確信できる。
泣きじゃくって頷くだけのAちゃんを潰れちゃうんじゃないかってくらい抱きしめて、冷たい顔に頬を寄せる。
微かに感じる温もりが夢じゃない、嘘じゃないって教えてくれて…
「ポケットに指輪入ってるんだ。ダイヤの指輪持ってるダイヤモンドのカケラに包まれた俺ごともらって？二乗でキラキラだよ？」
「ふふふ。翔くんのお誕生日なのに私ももらうの？」
「そう。お互いもらいっこ。」
俺のバースデープレゼントは一生分、今日もらった。
「絶対！一生！返品しないでね？」
返品されても行き先がないよ…
Aちゃんを失ったら、出会う前に戻ってもう誰にも引き取ってなんかもらえない。
「翔くんもしないでね？」
「するわけない。絶対しない。」
俺が俺である為に…
俺が描く未来の景色に…
Aちゃんが必要なんだ…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さとち(プロフ) - 最後までしょーちゃんを見届けさせてくれてありがとです(*´∀｀*)ロマンチストなしょーさんにぴったりなプロポーズシーン。きゅんきゅんしちゃいました。ヘタレくんが成長してく様子を見守れて幸せでした(^^) (2019年11月17日 8時) (
レス) id: 71c5d1241d (このIDを非表示/違反報告)
プリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。私はヘタレてても優しくて少しずつでも頑張る翔くんが大好き。プロポーズのシーンもとっても素敵だった。素敵なお話しをありがとうございます。これからも楽しみしてます(^-^) (2019年11月10日 12時) (レス) id: cd103d13f3 (このIDを非表示/違反報告)
にのゆう(プロフ) - 完結お疲れさまでした。私はしおななさん大好きです(*´▽｀*) (2019年11月9日 12時) (レス) id: 36f104c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 終わった〜。あんなにヘタレだった翔くんが 花子さんに釣り合うべくカッコよく成長！ てか、まあ、初めから素材は完璧なんだからまあ当たり前か。多少ヘタレがまたかわいい（≧∇≦） こんなかわいいバカップルになれるなんて(//∇//)お互いに好きすぎていいなぁ〜 (2019年11月9日 11時) (レス) id: 285da43cef (このIDを非表示/違反報告)
あゆママ(プロフ) - 完結おめでとうございます！(*´∀｀)ヘタレな翔さんが成長していくのが楽しみでした。終わってしまうと寂しいですねぇ〜。歌は息子が大好きで、ピアノでよく弾いていたので知りました(笑)可愛い曲でこちらも好きになりました。また二宮さんのお話もお待ちしています！ (2019年11月9日 7時) (レス) id: ddbf446660 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2019年9月20日 15時
