１３０☆ ページ10
翔くんが指定したのは駅からほど近い繁華街カラオケで…
『この後、パーッと気晴らしに…』
ってお互い誘いやすい口実の場所で選んだんだって思った。
これがクリスマス前の冬の夜の公園とかになると何かあると色々と疑ってしまうし…。
でも…
「なんかそんな気がしてたのよね…。」
個室のドアを開けた瞬間に麻友はため息をつきながら言った。
この状況だと何を言っても言い訳だし、騙した事は間違いない私は曖昧に笑うしかできなくて…
「そもそも受付しないで部屋に直行ってあり得ないから。」
「ま、麻友。でもちゃんと『帰る』」
踵を返した麻友の手首を掴んだのは二宮さんで…
「麻友…体調は？大丈夫なのか？」
表情だけじゃなく声まで心配そうで…。
麻友は手首を掴まれたままで二宮さんには背を向けてるけど、私からは泣きそうなのを唇を噛んで堪えてるのが見える。
この場でどうしようと…
どうしたらいいのかとオロオロしてる私を、一番奥に座ってた翔くんが手招きで呼んでくれた。
「Aちゃんは何飲む？」
呑気にリモコンを弄りながらドリンクを選んでいて…
え？そんな感じ？
そんな感じでいいの？
って向こうとこちらの空気の違いにまた戸惑う。
「麻友…？ちゃんと病院行こう？俺も一緒に行くから…。」
「…行かない。必要ないし、必要ならひとりで行く。」
「麻友。子供は日に日に育っていくのにそんな事言ってる場合じゃ『いないもん！』」
麻友が叫ぶように言って二宮さんに振り返った。
翔くんもさすがにリモコンから顔を上げて二人を見た。
「麻友？いないって…？」
「だから！赤ちゃんはいないの！生理きた！妊娠してない！よかったね？成り行きでしょうがなく結婚しなくて済んで！」
麻友の目から溢れ落ちる涙は止めどなくて、思わず私も手を伸ばしそうになるけど、その手を翔くんに止められた。
私の手首を掴んだ翔くんはにっこり笑って、そのまま手のひらを合わせて恋人繋ぎをする。
「ねぇ？このカップルカクテルっていうの頼んでいい？ノンアルなんだけど同じグラスに二本ストローがあって一緒に飲めるんだって。Aちゃんはどの味がいい？やっぱグレープフルーツ？」
「しょ、翔くん…？今はそれどころじゃ…。」
オロオロしてる私の目の前で二宮さんが麻友の腕を引っ張り腕の中に捕まえた。
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さとち(プロフ) - 最後までしょーちゃんを見届けさせてくれてありがとです(*´∀｀*)ロマンチストなしょーさんにぴったりなプロポーズシーン。きゅんきゅんしちゃいました。ヘタレくんが成長してく様子を見守れて幸せでした(^^) (2019年11月17日 8時) (
レス) id: 71c5d1241d (このIDを非表示/違反報告)
プリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。私はヘタレてても優しくて少しずつでも頑張る翔くんが大好き。プロポーズのシーンもとっても素敵だった。素敵なお話しをありがとうございます。これからも楽しみしてます(^-^) (2019年11月10日 12時) (レス) id: cd103d13f3 (このIDを非表示/違反報告)
にのゆう(プロフ) - 完結お疲れさまでした。私はしおななさん大好きです(*´▽｀*) (2019年11月9日 12時) (レス) id: 36f104c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 終わった〜。あんなにヘタレだった翔くんが 花子さんに釣り合うべくカッコよく成長！ てか、まあ、初めから素材は完璧なんだからまあ当たり前か。多少ヘタレがまたかわいい（≧∇≦） こんなかわいいバカップルになれるなんて(//∇//)お互いに好きすぎていいなぁ〜 (2019年11月9日 11時) (レス) id: 285da43cef (このIDを非表示/違反報告)
あゆママ(プロフ) - 完結おめでとうございます！(*´∀｀)ヘタレな翔さんが成長していくのが楽しみでした。終わってしまうと寂しいですねぇ〜。歌は息子が大好きで、ピアノでよく弾いていたので知りました(笑)可愛い曲でこちらも好きになりました。また二宮さんのお話もお待ちしています！ (2019年11月9日 7時) (レス) id: ddbf446660 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2019年9月20日 15時
