１１４☆ ページ34
初めて踏み入れた翔くんの部屋は、麻友が言っていた通り…
「狭くてごめんね。」
適度に散らかり、適度に整ってるよくある普通の独身男性の部屋だった。
「えっと…とりあえず何か飲み物…。」
何の前触れもなく、こんな事になったから翔くんも戸惑いを隠せてない。
「ううん。大丈夫。」
とはいえ、この後はどうしたらいいのか…。
勢いがまだ残ってたらシャワーを借りると言えたけど、時間もたちお互いが今は素面と言うか冷静だ。
「と、とりあえず…適当に座って？」
私がソファに遠慮がちに腰を下ろすのを確認するとキッチンに向かい冷蔵庫を開けた。
ソファの真正面にはTVがあって…
初めて二人でデートした時の写真が飾って…
「…え？」
写真立ての横に置いてあった見覚えがあるそれに、思わず立ち上がって手を伸ばす。
これって…
「ごめん。水とお茶とビールしかない。何か買って……あっ！」
ガシャンと乱暴にテーブルに置かれた飲み物が倒れて床に転がった。
「いや…あの…それは…えっとぉ〜。」
「あの時のコーヒーの缶…だよね…？」
缶の横に置いてあったのは多分、海に行った時に私があげたペットボトル。
「うん…ごめん…。」
翔くんは気まずそうな顔を隠すように俯いた。
「何で謝るの？」
「いやだって…気持ち悪いだろ？もらった缶を大事に取っておいてあるとか…。」
ますます気まずそうに顔を歪める翔くんにそっと近づいてギュッと抱きついた。
「え？Aちゃん？」
耳元で聞こえる翔くんの声は戸惑っていて…
「…好き。」
「え？」
「ありがと…。一生懸命に思ってくれて…大事にしてくれて…。」
翔くんがした行動は関係性などでは紙一重で気持ち悪いと思える行動に取れるかもしれないけど、今の私にとっては…
翔くんの健気さが愛おしい。
「翔くんと巡り会えて…彼女になれてよかった。たくさん人がいる中で私を見つけてくれてありがとう。」
私がそう言うと返事をするようにギュッと抱きしめてくれた。
「俺も…俺の方こそ…。」
その言葉の先を聞けず…
少し身体を離して上目で窺うように翔くんを見ると視線がぶつかって…
骨張った大きくて綺麗な手で頬を撫でられる。
「…こうやって触れる事すら俺には夢のまた夢だったんだ…。」
「…私はそんな…。」
「うん…わかってる。だけどやっぱり俺にとってAちゃんは全てにおいて特別な女の子なんだよ。」
そう言った翔くんの唇がそっと私のと重なった。
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キミ(プロフ) - 糖度マックス！！こんなに甘やかされてみたいものです！ (2019年9月18日 23時) (
レス) id: 744bc54dd4 (このIDを非表示/違反報告)
しょうくん(プロフ) - 朝から幸せでデレデレなお二人(//∇//)ありがとう。もっと甘々糖度上げてもいいですよ(^^)翔さんの幸せな日が続きますように。また更新楽しみに待ってます(^ ^) (2019年9月18日 8時) (レス) id: 490943dac7 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - おはよぉーございます。ウザい翔くん大歓迎！もっともっとウザくても良いかな(笑)続きが楽しみです♪ (2019年9月18日 7時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - あゆママさん» 私も久々にここまで甘いカップルを書きましたよ（笑)やっぱり私はこういうのを書いてる方が性に合ってます。 (2019年9月18日 7時) (レス) id: b0600f2388 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - Fu--chanさん» それはもうすっごい濃いエスプレッソを飲みたくなるくらいの甘さだと思いますよ（笑)幸せそうでなによりです。 (2019年9月18日 7時) (レス) id: b0600f2388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2019年3月4日 19時
