９４★ ページ14
俺はどうするべきかもわからず、ただ立ち尽くしてソウタを見てた。
煮立った鍋に何やら投入すると、出汁のいい香りが俺の所まで漂ってくる。
「Aはお粥嫌いなんだよ。」
「え？」
「覚えとけ。」
鍋の中に刻んだネギと卵を落とし、蓋をして火を切った。
そして再び俺の持ってる袋をひったくると、自分ちの冷蔵庫を開けるように遠慮も戸惑いも何もなく開けて、袋の中身を突っ込んでる。
「あんたのチョイス、ことごとくAの好みじゃねぇな。」
呆れたような…
バカにしたような半笑い。
「いや…俺も急いでてとりあえず一般的な好みのを…。」
「アイスはバニラより抹茶。ゼリーはみかんよりグレープフルーツ。」
わざわざ教えてくれるのは親切心なのか…
それとも何も知らない俺を追い詰める嫌味か…
まだ判断できない。
「…あんた…それだけの容姿に…あの車乗れるだけの収入。モテるだろ？」
いやいや、モデルのあなたに言われても…って思ったけど、ソウタの声は真剣で俺も真剣に答えるべきだと思った。
「いや…謙遜なしで全くモテません。」
「は？」
「女性とお付き合いしたのはAちゃん以外には大学時代に一人きり…。」
冷蔵庫からビールを取り出したソウタは目を丸くしながら俺を見てる。
「俺…数ヶ月前までは女の子に見向きもされないただのモサいオタクでした。あ、実際オタクなわけじゃなく外見とか思考が…。」
「そんな男がどうしていきなりイメチェンを？」
「Aちゃんに近づきたかった…。ただそれだけです。」
「ふ〜ん。」
自分から聞いたクセに大して興味もないのか、ビールを飲みながらソファに移動した。
ビールの缶をテーブルの上にコトンと置くと、背中をソファに預けて大っきくため息をついた。
「A…可愛いだろ？」
「はい。それはもう。世界一…いや俺の中では宇宙一可愛いと思ってます。」
「ククッ。そこまで？」
「はい。泣いても怒っても…何をしても可愛いです。でもやっぱり一番好きだなぁて思えるのは誰にでも分け隔てなく優しくできるところです。」
「…そっか。」
どこか諦めたような…
納得したように呟く。
「あんた…俺らの生い立ち聞いてる？」
「はい…少しだけですが…。あなたがいるから私だけ幸せになるわけにはいかないって最初は拒否されました。」
俺がそう言うとさっきまでの強気な態度から一変、目を泣きそうに歪ませた。
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キミ(プロフ) - 糖度マックス！！こんなに甘やかされてみたいものです！ (2019年9月18日 23時) (
レス) id: 744bc54dd4 (このIDを非表示/違反報告)
しょうくん(プロフ) - 朝から幸せでデレデレなお二人(//∇//)ありがとう。もっと甘々糖度上げてもいいですよ(^^)翔さんの幸せな日が続きますように。また更新楽しみに待ってます(^ ^) (2019年9月18日 8時) (レス) id: 490943dac7 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - おはよぉーございます。ウザい翔くん大歓迎！もっともっとウザくても良いかな(笑)続きが楽しみです♪ (2019年9月18日 7時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - あゆママさん» 私も久々にここまで甘いカップルを書きましたよ（笑)やっぱり私はこういうのを書いてる方が性に合ってます。 (2019年9月18日 7時) (レス) id: b0600f2388 (このIDを非表示/違反報告)
しおなな(プロフ) - Fu--chanさん» それはもうすっごい濃いエスプレッソを飲みたくなるくらいの甘さだと思いますよ（笑)幸せそうでなによりです。 (2019年9月18日 7時) (レス) id: b0600f2388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2019年3月4日 19時
