助け… ページ9
翔は抵抗しなくなった私の体をゆっくりと撫で続ける
くすぐったさと、ゾワゾワする感覚に私は支配される
『…ッ…』
それでも私の体は声を出す事を拒否し続けた
皆は恋人とする様な事だろう…
だけど私の相手は私を繋ぎ止める為には
私を殺す事も厭わないような人間だ
そんな相手に無防備になるなんて
殺してくれと言っているような物だ
だからこそ私は無抵抗にされてしまうこの瞬間が
暴力を受けるより、罵倒されるより
何よりも恐ろしいんだ
私の体が怖いと叫び出す前に
私の体は快感を求めていき、
恐怖と快感で無抵抗にされる
「…」
少し翔の手が止まったかと思った瞬間
ガリッ
首を噛み付かれた
痛みと血が流れ出るが
いずれも私の体は声を出させない
翔に好き勝手にされる事に何も抵抗しようともしない
「…良い子に出来るじゃねぇか…A」
いつもとは違う声質に寒気がする
恐怖と屈辱に全身が支配される
ガチガチと鳴り出しそうな口を必死に押さえ込み
ただ、考えるのは一つだけ…
誰か助けに来てよ…
─────………
「はっ、まーた面白い顔してんなぁ？」
『…』
「喋る気力もないのか？
…まぁいいさ
そういや、お前の心の支えが走ってお前を探してるのがさっき窓から見えたぞ
ヒーローに会いに行ってこいよ
肝心な時に助けてくれない無能の…な？」
喉を鳴らすように笑う翔を横目に
私は自分の教室へ歩いて行った
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作者名：モグモグ | 作成日時：2020年9月27日 23時
