悪夢 ページ8
「気に食わねぇんだよ…何楽しそうに笑ってやがる
お前のその支え…ぶっ壊してやるよ」
翔は逃げ出す私の手を引っ付かみ
それはいとも容易く縛り上げた
『いっ…！や…めてよ！…嫌だ！！！離して…！！！』
大きな声を上げる私の頭を翔は鷲掴み
床へと叩き付ける様に擦り付けた
顔面にとてつもない痛みと共に鼻から垂れてくる血の感覚に寒気がした
あぁ、完全にスイッチが入ってる
あの翔でさえ、私の顔には1度しか傷を付けていない
再会のあの時だけ…
それはもう、今までの様にはしてくれない…そういう事だ
そんな考えが頭を過ぎっている時に
翔は気にもせず今度は私の口に猿ぐつわをして声が出せない様にした
『ん！！！』
それにビックリして声を出した時
いきなり髪を鷲掴みされて首を締められた
痛みと苦しみで声が出そうになった時
「うるせぇんだよ…前みたいに声殺せよ
出来んだろ」
耳元で囁かれたその声で、私は声を出す事を止めた
いや、辞めさせられた
私の体が翔に、従っただけだ
「どうしてやろうか…前みたいにしてもいいけどな…
それはそれでつまんねぇ…あぁ…
今度こそ入れてやろうか…？」
心無く出す声に体が震える
声も出せない、息もしたくない
頭を回せば回す程、怖くて怖くて仕方がない
生きていたくない
こんな生活が続くのであれば
みんなから逃げて、今この瞬間
この運命を終わらせたい
翔の指が私の体を滑らせる合間に
私はそんな事を思っていた
いや、願っていた
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作者名：モグモグ | 作成日時：2020年9月27日 23時
