俺の好きな人は嫌いな同族と深い関係【実況者】 (ページ1)

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レールの上、台本の上、ストーリーの上ページ1

あの日から1週間が経った

私は約束を忘れない様に
二度とストーリーを間違えぬように

起きてしまう時間に起き…
朝食を食べ…
二人が来る前に学校へ行き…
授業をうけ…
いつも京香と一緒に食べてたお弁当をクラスメイトと食べ…

放課後はキヨに帰ろうと誘われれば京香と帰りなと笑い

京香に遊ぼうと誘われればキヨが妬くぞと笑って逃げ

美術室で待つフジに会わぬように部活へ行き

遊びに誘うこーすけに漫画を描くからと誘いを断り

新刊を読みたがるヒラからまだ出来てないからと笑い

餌付けしたがるレト先輩にお菓子を食べさせて爆笑してその場を去り

皆から逃げたその足で私は翔の元へ向かった

日に日に目から光を無くす私に
翔は満足して嘲笑う

そしていつもの場所で翔は私の背中へと手を伸ばす

痛い、苦しい、辛い

そんな事を思っていても現実は変わらない

前の様な辛い思いをする位ならこのままでいればいい

このまま、翔のストーリーの上を歩けば
前よりずっと楽な

ハズだったのに…

「Aちゃん、最近どうしたの？キヨや京香ちゃん、フジ、こーすけ、レト先輩…全員から逃げちゃって…」

『…ヒラ』

どうして、皆、私が楽な方へ行かせてくれないのかな

『…いや、最近委員会が忙しくて皆に構えてないだけだよ、でも、皆私にばっかり構ってくれてたし丁度良いんじゃない…』

「…Aちゃんって、腹黒委員長とどういう関係なの？」

ビクッ

突然の核心に迫るヒラの言葉につい…体が反応してしまった

『…どうって、普通に委員会で同じなだけ…』

「ちょうど1週間前かな？」

私が喋っている途中で言葉を遮るようにヒラは口を開いた

「…あの日の放課後」

まって

「…廊下で委員長に」

どうして

「何してたの？Aちゃん？」

『…どこから』

自分の体から変な汗が吹き出すのがわかる

見られたくないと思っていたからこそ

考えてなかった未来

まさか本物になるなんて

「約束ってなんの事？」

『お願い…やめて…』

ヒラの言葉に絞り出すように答えた私に

「…」

ヒラは何ともない顔でこちらの言葉を聞いた後

「事をバラすってなんの事？」

再び触れてほしくない事を聞いてきた

『やめて…ヒラ…』

「じゃあ、変わりに俺にキス出来る？」

懇願する私にヒラは少し楽しそうに提案をして来た

あぁ、コレが本当の”翔の描いたストーリー”か

私の目の前に

またも悪魔が現れた…