対の刻印【トラファルガー・ロー】

31.ペンギンの話 ページ31

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ﾍﾟ(平行世界の存在。おとぎ話の中だけの話と思っていたが…

Aちゃんの出現は固定観念ぶっ壊していかないと考えられないことばっかだしなァ)




ペンギンが幼少期を過ごした村では、そのいわゆる"平行世界"の存在がまことしやかに囁かれていた。





ある条件が奇跡的に重なった時、二つの世界の距離が限りなく近づき、世界がまだひとつだった頃の自分がまた1つになろうとして互いを引き合うという。

いわゆる魂の片割れで、一度出会えば魂があるべきひとつの完全体となり、あらたな力を得る(取り戻す)とかなんとか。


実際同じ村に住んでいた老夫婦は自分たちがそういう経験をしたと言っていた。
おしどり夫婦であることの自慢かと思っていたが……





爺 ｢儂が炭鉱で働いておった頃、婆さまが空か
ら降ってきたんじゃ。

最初は確かにたまげたが、天使かと見紛う程の
美しさじゃったわい…｣




婆 ｢ヤダ、あんたったら。
私だってびっくりしたのよ、風邪をこじらせて
熱で苦しんでいたと思ったら突然空の上だった
んですもの。

でもすぐに爺さんに会えてね。それまでの混乱
なんて吹き飛んでしまったわ。
だってこんなハンサムに会えるなんて。｣





毎度この話を聞く時には2人の惚気話出終わってしまうのだが……

この冗談としか思えない話が、今目の前で起こっているのかもしれない。

確証は持てないのでまだ誰にも話してはいないが…









ﾍﾟ(気になるもんは気になるからな！)





思ったが吉日のペンギンであった。

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