始まりの日 -4月8日 日- �� ページ1
『なんでもいいさ。
俺は爺ちゃんにそう言われて育ってきた。
俺の、数少ない家族。
本物の親のいない俺にとって、かけがえのない存在だった。
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その爺ちゃんが死んで、俺は爺ちゃんの孫の家に居候になることになった。
高校二年生なんて変なタイミングで学校も変わった。
俺の新生活が始まるらしい。電車に揺られながら思った。
ふと、爺ちゃんの言葉を思い出した。
司｢…｣
司｢やりたいことなんて、ないよ。爺ちゃん｣
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まとい｢よく来たねぇ、司!!待ってたよ！｣
深川まとい。
俺が世話になっていた爺ちゃんの孫。今日から俺は、この娘の家で暮らす。
ひとつ屋根の下、男女が生活を共にするといえば聞こえが良くないのかもしれないが、生憎俺はそんなことに興味はない。
というかそもそもまといの両親がいるので、そんなことも出来ない。
まとい｢疲れたろう？荷物、持ってやろうか？｣
司｢一人で運べる｣
まとい｢そう…。あ、部屋はこっちだよ｣
そう言って彼女は、家の奥へと進んでいった。
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まといの両親への挨拶を済ませた俺は、学校へ向かっていた。明日から世話になるのだ。学校の先生へも挨拶くらいすべきである。
まとい｢失礼しまーす！｣
まといが職員室の扉を開けた。声高らかに挨拶をして。
???｢あら、まといさんじゃない。ということは…隣の子が、例の？｣
司｢
???｢よろしく…。私は貴方の担任を勤めます。ヴィオレッタといいます｣
司｢ヴィオレッタ…先生？｣
ヴィオ｢そう、ヴィオレッタ・ノワール。よろしくね、速水 司君｣
司｢よろしくお願いします｣
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生徒手帳を受け取り、自分のクラスを確認して、俺たちは学校を出た。
家に帰ってからというもの、特にすることもなかったので、食事や風呂が終わってすぐに俺は部屋に入った。明日の準備でもして寝ようと思った。
が、その準備中だった。
司｢ん…？なんだこれ？｣
鎖の着いた、時計のような何かが、荷物に引っかかっていた。
司｢…まぁいいか。明日、学校に届けよう｣
そう思って俺は、眠りについた。
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作者名：誰かのヒーロー。 | 作成日時：2019年9月17日 0時
