目覚め ページ1
…。
……？
明るい場所。
見たことの無い天井。
それも見覚えがないとかではない、知らないもので作られた天井。
(石、じゃあないですね…)
そして、記憶を遡って見るが、
｢あれ…？｣
こんな所に来ようとした覚えもないことに気づいた。
と、
｢おや、目が覚めたかい？｣
女の人の声がした。
｢あの…｣
｢まだあまり動くんじゃないよ。火傷は治りきってないんだ。無理しちゃいけないよ｣
｢ここは、どこなのですか…？｣
｢雄英高校。知らないかい？｣
｢ユーエイ…？｣
聞いたことがない。
｢あたしゃそこの、いわゆる保健室の先生さね。リカバリーガールって呼ばれてるよ｣
｢リカバリー…ガール、ですか｣
なんとか、知っている言葉に似たような単語が出てきた。
｢その様子だと、急に現れたってのは本当みたいだね。まさか、ヒーローってのも知らないかい？｣
｢ヒーロー…ですか？｣
｢…そうかい｣
そして、彼女に｢色々聞いていいかい？｣と言われた。
｢名前は？｣
｢…ジャンヌ。ジャンヌ・ダルクです｣
｢出身、それと誕生日は？｣
｢1月6日。ドンレミの出身です｣
｢歳は？｣
｢19歳です｣
｢そうかい…なにか覚えていることはあるかい？｣
｢…？｣
｢火刑、と言って分かるかい？｣
｢!!｣
｢やっぱりそうかい…｣
｢なん、で…｣
なぜ、私の最後の記憶を。
異端審問を、知っている？
｢私を…どうするんですか？｣
｢どうする？｣
｢異端審問のことを知っているんですよね…？なら、どうするんですか？私を、また処刑するのですか!?｣
｢…｣
｢私を…また｣
｢日本。知ってるかい？｣
｢…？｣
ニホン？
聞いたことがない。
｢ジャパン、いや、ジパングの方が通じるかい？｣
｢…知らないです｣
｢とにかく、そういう国があって、ここはその日本さね｣
｢はぁ…｣
｢そして…最後の質問だ。今日は何年、何月何日だい？｣
｢えっと…｣
記憶を何とか辿る。
｢1431年の…5月30日です｣
｢…違うよ。全部ね｣
｢え？｣
｢何となくわかったよ｣
｢あんたは過去からやってきたのさ。タイムワープってやつさね｣
｢過去から…？タイム、ワープ…？｣
｢時間を超えてあんたのいた時代じゃない時代にきたってわけさね｣
｢え…｣
｢この時代だと、アンタは有名だよ。教科書にも載ってる｣
｢!!つまり…｣
｢ここはあんたからみた未来、ってわけさね｣
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作者名：誰かのヒーロー。 | 作成日時：2019年1月18日 19時
