壊れやすく輝く (ページ15)

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それから私は上の空。

みんながはしゃぐのをただ見てるだけ。

「どした？具合でも悪い？」

と風磨に言われ

「大丈夫。なんでもないから」

と答えると耳元で

「さっき激しくしすぎちゃったからか」

とイタズラっぽくささやく。

「…っ！違うからっ」と近くにあったクッションを風磨にぶつけてやった。

「え？なぁに？Aちゃん、顔赤い～っ」

と聡がからかう。

「お前らが知るのはまだ早い。なっ、A。」

風磨はビールのせいでほろ酔い加減。

「しらねーよっ」

「わぁ～っ。なんか、えっちだな～っ」

聡は勝手に妄想して喜んでる。

その時

ドアチャイムが鳴った。

「あ！勝利くんかなっ」とマリウスが玄関まで迎えに行った。

「だから、おまえんちじゃねんだから」

と風磨。

どうしよう。

「おじゃましまーす」

「悪かったな、こんな時間に。」と風磨が言うと

「いーよ。こんな機会、なかなかないもん。健人くんは？」

「あいつは来ないでしょ。色々忙しいんだから。地元に帰ったら顔出すとこ山ほどあるから」

「そーだね、岸、メッチャ健人くん帰ってくるの待ってたし」

と笑う。

「A、元気？」

あまりにも普通で。

「うん。」とだけ。居たたまれなくなった私は

「私も呑む。」

「はぁっ？！未成年が調子のんな！」と風磨に怒られたけど

「いんだよっ。だいたい酒もタバコも中学からなんだから」

風磨はため息つきながら

「そーだった。今更か」

勝利も「俺もそのつもりですけど？」と笑いながら
マイビールを出した。

「もお～っ。みんな不良なんだからっ」

とマリウス。

だって酒でも呑まなきゃこの静かなる修羅場をやり過ごす自信がない。