[文豪ストレイドッグス] 未完成の短編集

[夢野久作]　僕だって。 ページ37

『夢野君、起きてる?』

「うん起きてるよ、Aさん」

現在3:00を回った処。

私は、夢野君の囚われている牢屋の前に居た。

一応私は、世話係という名目にある。

けどそんなの、マフィアにとって私は不必要要員だから。

この世の災悪と呼ばれている彼の世話を押し付けられた。

最初はぞっ、としたものの、今は寧ろ嬉しい。

こんなに可愛らしくて素直な子は、今時中々居ないんじゃ無いだろうか。

『今日はね、芥川様とかと一緒に戦ったんだよ?

だから一寸血生臭いかも･･････御免ね?』

「気にしなくて良いよ、昔、僕も沢山人 殺しちゃったからさ･･････」

あれは夢野君がやりたくてやった訳じゃない。

なのにマフィアは、彼を閉じ込めた。

彼は泣く。

「っ、僕だって、この異能力がなければ良かったな、って思うよ?

でも、殺しあってるのを見て、楽しんでる僕も居るんだ･･････

僕って最低だよ･･････」

牢屋の中で、泣く夢野君。

その姿は、まるで儚げで消えてしまいそうな印象を受けた。

『さ、最低じゃない!!

そう思えるんだったら、最低じゃない

無惨に人を切り捨てる奴は消えれば良い

けど夢野君は、憎しみで、哀しみで、動いてる訳じゃないでしょ?』

そういうと夢野君は、牢屋の穴から腕を伸ばし、私の腕を掴む。

「有り難う」

と言うと、夢野君はすっ、と目を閉じた。

流石にもう眠かったんだろうなぁ･･････

私も寝ることにしよう、そう言って私は床についた。

3ヶ月後、夢野君が憎しみで動いて仕舞うのを知らずに。

感謝の言葉2!!(本編には関係無いです)そして、第3のアンケートを行います!!→←[太宰治]　妹の寝起きが可愛すぎて死ぬ、誰か助けてくれ。(アンケート結果1位　妹)

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