fallen（ジェイド、フロイド） ページ5
雨上がりの道を歩いた。深夜２時の裏路地を歩いた。あなたが逃げ出した後の、伽藍堂の夜を歩いた。
濡れた道路が鈍く光ったり、ゲオスミンの匂いのする風が吹いたり、月が融けたり、落ちたりする、真夜中。僕たちは部屋から逃げ出したあなたを追って、夜の只中を歩いていた。
Aさんが逃げた道のりはわかっていた。あなたのことならなんでも、僕たちはわかっていた。その証拠にほら、こんなに簡単にあなたを追い詰めることが出来てしまった。
存外あっけなく追いついた僕とフロイドを見て、Aさんはこれから死ぬとでも言うようなひどく怯えた顔をして、体をぶるぶると震わせていた。
「あはっ、小エビちゃんみーっけ」
「そんなに怯えなくとも、何もしませんよ。ね？」
僕たちが一歩近づくと、Aさんが一歩後ずさる。今更抵抗しても無駄なのに。
そうしてどこにも逃げ場のなくなってしまったAさんはついに縮こまって、「ごめんなさいごめんなさい」と譫言のようなことを呟き始めた。
惨めで可哀想なAさん。一人じゃ生きていけないAさん。僕たちに愛されるしかないAさん。どうしようもなく救われないあなたが大好きです。
あなたは僕たちの大切な
「そうでしょう？」「そうでしょ？」
二人でAさんを抱きしめると、もう抵抗も反抗もしてこなくなった。それきり虚空を見つめて動かなくなったAさんを抱き上げて、僕たちの家に連れて帰ることにする。
「帰ったら何しよっかぁ、まずはお仕置きかなぁ」
「ふふ、もう逃げられないようにしないといけませんね」
ああ、帰ったらAさんをどうしようか。足首を切り落とそうか。ベッドに縛り付けようか。薬漬けにしようか。滅茶苦茶に犯そうか。それともいっそ殺してしまおうか。そしてその死体を食べてしまおうか。考えるだけで興奮して足早になる。
世界。に閉じ込められた夜。に閉じ込められた部屋。に閉じ込められたあなた。これからは逃げ出すこともなく、一生僕たちだけに愛されて、ずっとずっと幸せに暮らして、そうして最後は、３人で仲良く心中しましょうね♡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タカマツ(プロフ) - ステラさん» リクエストありがとうございます！頑張って書かせていただきます！ (4月8日 22時) (
レス) id: 2b6c41affa (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - リクエストでヴィル様のヤンデレで書いて下さい！ (4月8日 17時) (レス) id: 77f430fdd5 (このIDを非表示/違反報告)
タカマツ(プロフ) - クッピーさん» たくさんお褒め頂きありがとうございます！いつも励みになっております！フロイドくん、シルバーくん、ロロくんの３話は元々サイトと支部の方に載せていたもので、それをそのまま持ってきました。それとリクエストありがとうございます！頑張って書かせていただきます！ (4月6日 20時) (レス) id: 40ebf0ac6e (このIDを非表示/違反報告)
クッピー - 最高の作品ありがとうございます。短期間でこんな数の作品を作り、その上作品にドロっとしたヤンデレ感を入れつつ、キャラクターの特徴をここまで再現するのはすごいです。もしも良ければ、リクエストで、クルーウェル先生をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか？ (4月6日 14時) (レス) @page17 id: fd40d0f1db (このIDを非表示/違反報告)
タカマツ(プロフ) - クッピーさん» リクエストいただきありがとうございました！いつも温かいコメントをくださってありがたいです…！頑張ります！ (4月6日 0時) (レス) id: 40ebf0ac6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：タカマツ | 作成日時：2024年2月12日 23時
