日常（ロロ）２/３ ページ16
手のひらにクリームを出し、手に馴染ませたらいよいよAの体に塗りこんでいく。すべらかな肌にクリームを塗り広げ、うすく肉の張った関節からやわらかなふくらみまでしっかりと塗布する。私のささくれだった手がAの肌をすべる光景は、なぜだか私の心に言いようのない背徳感を植えつけていく。他の男に明け渡したことのない肢体を私という男がこれほどまでに容易く侵してしまうのは些か不躾かとも思ったが、私がこうしてやらなければAはすぐに誰かに攫われてしまうだろうという確信があったので、私は今日もAの手を離さないまま、いや、離せないままになってしまうのだ。私の低い体温がAのこどものように高い体温に侵略され、そこからふたつの体温が融けあって同一になっていくのを感じると、傲慢なことに、私はAの誰にも汚されたことのないところまで全てがほしいと思ってしまうのだ。ああ、Aを誰にも穢させないと決めたのは、私なのに………。
Aの全身にクリームを塗り終わると、もう首が傾いてうつらうつらとしているAを抱き上げて寝室へ連れていき、体をベッドに横たえてやる。今日は余程疲れていたのだろうか、Aは私が子守唄を歌う前に目を閉じ、寝息を立て始めてしまった。濁りのない顔で眠るAの顔を見て、私は今日もふたりが狂わずに、この生活が瓦解せずにいられたことにようやく安堵できたような心地だった。
今となってはAは私を拒絶しなくなったが、もしいつの日かAが私を拒んだり、万が一にもこの部屋から逃げ出してしまったなら、私はそのときAをどうしてしまうだろうか。そうでなくても、いつか私がこの情欲を抑えられずにAを汚してしまうようなことがあったら、私は私をどうしてしまうだろうか。この今にも壊れそうな生活の中で、どちらかが狂ってしまわないか心配だ。
どこも見ていない目で虚空を眺めるようになったAを見ると息がしづらくなるのは何故だろうか。私を見ていないのに見ている、見ているのに見ていないような目に毎日責められる心地になる。これでよかったと完全に思いきれない自分がいるのが何故なのかわからない。
「私は何も悪くないのに」
それなのにこの胸を這い回る違和感は、この口の中に広がる苦味は、罪悪感のそれとよく似ている。それだけがただ不可解だった。
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タカマツ(プロフ) - ステラさん» リクエストありがとうございます！頑張って書かせていただきます！ (4月8日 22時) (
レス) id: 2b6c41affa (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - リクエストでヴィル様のヤンデレで書いて下さい！ (4月8日 17時) (レス) id: 77f430fdd5 (このIDを非表示/違反報告)
タカマツ(プロフ) - クッピーさん» たくさんお褒め頂きありがとうございます！いつも励みになっております！フロイドくん、シルバーくん、ロロくんの３話は元々サイトと支部の方に載せていたもので、それをそのまま持ってきました。それとリクエストありがとうございます！頑張って書かせていただきます！ (4月6日 20時) (レス) id: 40ebf0ac6e (このIDを非表示/違反報告)
クッピー - 最高の作品ありがとうございます。短期間でこんな数の作品を作り、その上作品にドロっとしたヤンデレ感を入れつつ、キャラクターの特徴をここまで再現するのはすごいです。もしも良ければ、リクエストで、クルーウェル先生をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか？ (4月6日 14時) (レス) @page17 id: fd40d0f1db (このIDを非表示/違反報告)
タカマツ(プロフ) - クッピーさん» リクエストいただきありがとうございました！いつも温かいコメントをくださってありがたいです…！頑張ります！ (4月6日 0時) (レス) id: 40ebf0ac6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タカマツ | 作成日時：2024年2月12日 23時
