午睡の夢（シルバー）３/３ ページ14
起きたばかりでぼうっとしているAを抱きしめる。Aはなにも考えていないような表情でどこかを見ていた。その頭の中はわからない。俺のことを考えているのか、それとも他の誰かのことなのか、はたまたそれ以外なのか。お前の頭の中を俺のことだけで埋め尽くしてしまいたい。俺がお前に執着しているように、お前も俺に執着してはくれないだろうか。
「いっ、いたい。痛いですよ」
「…っ、ああ、すまない」
執着が溢れてしまったのだろうか。無意識にAを抱きしめる力が強くなっていた。それほど俺はお前に執着してしまっていたのだ、ああいつの間にか。愛の美しい表面だけを攫って生きられたらどれほど楽だっただろう。愛の本質がエゴであると思い知らされてしまった。そこに陥って抜け出せなくなってしまった。俺が思っているほど愛は美しくなど無かったのだ。俺なんかにこんな感情を向けられるくらいなら、はじめから俺と出会わない方がAは余程幸せで居られたのかもしれない。今となってはもう分からないが。
もし明日Aに元の世界に帰ると告げられても、俺は何でもない顔で送り出すだろう。「さようなら」と言われてそれまでの関係を何もかもなかったことにされても、俺はその全てを受け入れるだろう。俺のこの恋も逡巡も苦痛も全てはAの幸せのためにあるのだ。そう自らに言い聞かせなければ俺はどうにかなってしまうだろう。
今日が終わればまた学校に行かなくてはいけない。このいつ崩れるかも分からない永遠のような非永遠の日常をいつまで続ければいいのだろう。１日の始まりに今日もAがいなくなりませんようにと願い１日の終わりに明日もAがいなくなりませんようにと願うこの安定極まりない不安定な日常を生活を世界を安寧を平穏を恋愛を猛毒を孤独を妄執を暗闇を永遠を人生を俺は一体いつまで。
「……明日も、ずっとこのままで…………。」
お前を閉じ込めることも、眠らせることも、引き留めることも俺には敵わない。だからお前がいつか本当にこの世界からいなくなるときは、俺は笑って受け入れて、お前を何でもない顔で送り出して、ひとりで泣いて諦めて、そしてきっとお前のことを一生忘れられないまま、お前のいなくなったこの先の人生を、お前のことを想いながら生きていくだろう。
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タカマツ(プロフ) - ステラさん» リクエストありがとうございます！頑張って書かせていただきます！ (4月8日 22時) (
レス) id: 2b6c41affa (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - リクエストでヴィル様のヤンデレで書いて下さい！ (4月8日 17時) (レス) id: 77f430fdd5 (このIDを非表示/違反報告)
タカマツ(プロフ) - クッピーさん» たくさんお褒め頂きありがとうございます！いつも励みになっております！フロイドくん、シルバーくん、ロロくんの３話は元々サイトと支部の方に載せていたもので、それをそのまま持ってきました。それとリクエストありがとうございます！頑張って書かせていただきます！ (4月6日 20時) (レス) id: 40ebf0ac6e (このIDを非表示/違反報告)
クッピー - 最高の作品ありがとうございます。短期間でこんな数の作品を作り、その上作品にドロっとしたヤンデレ感を入れつつ、キャラクターの特徴をここまで再現するのはすごいです。もしも良ければ、リクエストで、クルーウェル先生をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか？ (4月6日 14時) (レス) @page17 id: fd40d0f1db (このIDを非表示/違反報告)
タカマツ(プロフ) - クッピーさん» リクエストいただきありがとうございました！いつも温かいコメントをくださってありがたいです…！頑張ります！ (4月6日 0時) (レス) id: 40ebf0ac6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タカマツ | 作成日時：2024年2月12日 23時
