午睡の夢（シルバー）２/３ ページ13
本音を言うならば、このまま帰る方法なんて見つからないままで、ずっとこの世界にいて、俺の傍でいつものように笑っていてほしい。元の世界に帰ることも、ここではないどこかへいなくなることもなく、眠るように俺のもとへ落ちて来ればいいとさえ思う。この時間が永遠に続けばどんなにいいだろう、などと願ってしまう。我儘な自分だ。本当に彼女のことを想っているならばこんなことを考えるはずがないのに。愛を理由にしても彼女を引き留めるには及ばない。むしろ愛しているからこそ笑って送り出すべきなのだと痛いほどわかっている。わかっている……。
「…………」
まだ眠っているAのやわらかい頬をなぞる。ああ…離したくない。もし許されるのなら、お前を俺の胸の中に閉じ込めてしまいたい。
「……A、愛している」
頬をなぞっていた指をくちびるまで滑らせて、まるで禁忌を犯すような気持ちでそうっとくちづける。何よりも「愛している」という、罪深いほどあまい味がする。Aのくちびるは今まで触れてきたどんな物質よりもやわらかく、つい最奥まで舌を滑り込ませたくなってしまう。不意にAの口の端から唾液が垂れて、それも舌で舐め取る。Aは何も知らない顔のままで、ただ静かに眠っていた。ああ、お前はこんなにも無垢なのに、俺は……。
しばらく繋がりあっていたくちびるを離すと、その瞬間、魔法が解けたようにAの瞼が開いた。Aの瞳が俺を捉える。ああ、真夜中の色。その瞳にすべて見透かされているような心地だった。もしAに俺の本心が知れてしまったら俺はどうすればいいのだろう。
「…ぁ、おはよう、ございます…」
「おはよう、A」
Aが眠たそうに目をこすって起き上がる。その動作は子供みたいに幼く弱くあどけない。成長も覚醒もしないまま、ずっと俺に守られていてくれればいいのに。俺だけの庇護下に置いて、どこか目の届くところへ仕舞い込んでしまいたい。俺がお前の母だったなら、きっと死ぬまでお前を子供部屋から出しはしなかっただろう。
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タカマツ(プロフ) - ステラさん» リクエストありがとうございます！頑張って書かせていただきます！ (4月8日 22時) (
レス) id: 2b6c41affa (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - リクエストでヴィル様のヤンデレで書いて下さい！ (4月8日 17時) (レス) id: 77f430fdd5 (このIDを非表示/違反報告)
タカマツ(プロフ) - クッピーさん» たくさんお褒め頂きありがとうございます！いつも励みになっております！フロイドくん、シルバーくん、ロロくんの３話は元々サイトと支部の方に載せていたもので、それをそのまま持ってきました。それとリクエストありがとうございます！頑張って書かせていただきます！ (4月6日 20時) (レス) id: 40ebf0ac6e (このIDを非表示/違反報告)
クッピー - 最高の作品ありがとうございます。短期間でこんな数の作品を作り、その上作品にドロっとしたヤンデレ感を入れつつ、キャラクターの特徴をここまで再現するのはすごいです。もしも良ければ、リクエストで、クルーウェル先生をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか？ (4月6日 14時) (レス) @page17 id: fd40d0f1db (このIDを非表示/違反報告)
タカマツ(プロフ) - クッピーさん» リクエストいただきありがとうございました！いつも温かいコメントをくださってありがたいです…！頑張ります！ (4月6日 0時) (レス) id: 40ebf0ac6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タカマツ | 作成日時：2024年2月12日 23時
