第43話 ページ43
貴久side
「あのっ……小早川 夏恋さんに面会したいんですけど……」
看「あ、もしかして増田さんですか?」
「はい。」
看「そうですか。話は聞いています。ご案内しますのでこちらへ。」
桃色の仕事服を着た看護師と
廊下を急いだ。
ある病室の前で止まると、看護師は振り返って言った。
看「こちらでございます。
1つ、お話ししなくてはいけないことがあって……
実は小早川さんの余命は
あと1週間なんです。
なのでくれぐれも無理をさせないよう、よろしくお願いいたします。」
目の前が
一瞬でモノクロになった。
1週間。
いつのまに
ここまで微かな命になってたんだよ____
看護師はもう一度念を押すと、
去っていった。
ドアノブを握る手が震えてしまう……
『ガチャッッ』
夏「だれですか……?」
ああ、声は変わってない。
夏の空のような声。
「夏恋___久しぶり。」
白いカーテンの奥にあった顔は
必死に起き上がろうとしていた。
「ダメだって!!んなことしたら…!!」
ベッドに駆け寄ると、夏恋は起き上がるのをやめた。
夏「ごめん__。貴久…久しぶり。」
大丈夫か?
もっと早く気づいてればよかった、ごめん。
それより、なんか欲しいものある?
たくさん言いたいことがあるのに
口が動かない。
なにやってんだろ俺____。
夏「貴久、変わんないね。
ちょっとアヒル口なとこも
中指と薬指で髪いじるとこも……
全部全部____かわ……ん…ないっ_ねっ__」
夏恋の目から涙が溢れ出た。
初めて見る夏恋の涙だった。
そうだ。
昔っから、夏恋は笑顔だった。
けど本当はいつも泣きたいくらい
辛かったはずなのに____
俺は何も気づかなかった。
俺は______
「夏恋を守れなかった_____」
「あの時
夏恋を守れてたら____」
そうだ。貴久。
「夏恋の言葉をさえぎって
今も付き合ってたら______」
後悔しても仕切れない
やるせない思いが込み上がってくる。
すると、夏恋はその細い指で
俺の唇をふさいだ。
夏「それは___貴久が間違ってる。
もし今付き合ってたとしても
私の病気の進行は変わらなかったよ。
それに____貴久は守ってくれたよ。
あの時だって。
今だって。
あの思い出が、私を支えてくれてるの。」
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るるぱ(プロフ) - えまさん» ありがとうございます!!!泣泣泣 頑張りますねッ!!体のことまで気遣ってくださって嬉しいです(TT) (2017年4月1日 20時) (レス) id: fd0583ef46 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 一年耐えれば素敵なJKになれるはず!体を壊さないで下さい(o^^o) (2017年3月30日 11時) (レス) id: e2433aa4cf (このIDを非表示/違反報告)
るるぱ(プロフ) - シゲパーナさん» こんにちは!!応援ありがとうございます!!!だ、大好きだなんて___(//∇//)嬉しいです!!頑張りますね♪ (2017年3月29日 17時) (レス) id: fd0583ef46 (このIDを非表示/違反報告)
るるぱ(プロフ) - 慶。さん» こんにちは!!応援ありがとうございます泣。大学ですか…大変ですね(>_<)汗!!はい!!お互い頑張りましょう!! (2017年3月29日 17時) (レス) id: fd0583ef46 (このIDを非表示/違反報告)
シゲパーナ - こんにちは!受験大変だと思いますが頑張って下さい!応援してます!大好きです! (2017年3月28日 23時) (レス) id: b7d6564992 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るるぱ | 作成日時:2017年3月8日 20時