こいつ、私の上司です。

第25話 ページ25

貴久side





ったく……。

もっと気のきいた言葉をかけられたはずだろ？

なんであんな態度しかできねーんだよ。

イラつく…___









人への態度を

こんなに気するなんて初めてだ。









.









.









涼音にパソコンを貸してしまったから

することもなく。

近くの行きつけの店でファッション誌読みながら時間潰すか___。




それなのに。

なんでだよ。

頭ん中から涼音のことが離れない。

こんなの初めてすぎてぜんっぜん分かんねえ…









.









『あのぅ…お客様。

そろそろ閉店のお時間です。』


「あっ。すいません。今出ます。」

もう9時か。

さすがに読みすぎたな…。

オフィスはいつも7時には電気を消すから

きっと涼音も帰ったんだろう。









.









『ガラｯ』

やっぱりみんな帰って…___

嘘だろ。

あいつ、いつまで頑張ってんの。


「あっ…増田さん!!!」


増「こんな時間までやってたのか？」


「ご…ごめんなさい！つい夢中になっちゃって…。

ほんとにかっこいいデザインばっかりで

感動しちゃうしなんだかんだ大変だったけど

やっぱり楽しいです!!!」


_____。

こんなに素直に俺を見てくれる。

なんて_____









愛おしいんだろう。



「増田さん…？どうかしました？」


増「や、なんでもない。

それより、家まで送るよ。」


そう言ったと同時に

オフィスの前に止まった車。

「あれ？加藤さん。」

あいつ……


加「やっぱり。

遅くまで頑張ってると思ったんだよね。

お疲れ様！

家まで送るよ。」

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