君と過ごした夏の色【Shigeaki.K】【Kazunari.N】 (ページ10)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:12,466 hit

夏の日7 ページ10

Aside

私は、成亮が好き。

そんな気持ち、とっくに和くんには気付かれているんだろう。

「成亮、成亮は和くんに言えない事ってある?」

和くんはすごく勘が良いから

言わなくても、分かってしまう。

だから、聞かれない限り私は何も言わない。

それ以上のことを知られるのが怖いから。

加「一つだけ、あるよ。

でも、Aにも言えないけど笑」

私も、和くんと似てるとこがあって。

成亮の言えないこと、なんてあっという間に分かってしまう。

『私のことが好き』ってことが言えないんでしょ?

ちゃんとね、分かってるの。

両想いだって。

でも、今は分かんない。

もし、また二人が私以外の同じ人が好きだったら…

そんなことを考えてしまうんだ。

「私もね、一番大切なことを言えてないんだ。

もう、10年以上も。」

よく考えたら、私は成亮に10年以上も恋をしてる。

ずっとずっと、いつからか分からないくらい前から。

加「Aちゃんにはさ、好きな人っている?」

…なんで、そんなこと聞くの?

この町には恋をできるような人はいないのに。

でも、恋はしてるよ。

「いるよ。」

そう言った瞬間、成亮の顔が悲しくなったのは

きっと好きな人が成亮だと思ってないから。

加「俺はね、Aちゃんのことが好きなんだ。」

……

言えないんじゃ、なかったの?

「･･･本当、に？」

加「うん。

これが、和にぃに言えないこと。」

そんなの、分かってる。

「私はね、和くんのことも成亮のことも大好きだよ。」ﾆｺ

こんなことが言いたいんじゃない。

ほんとは、私もって言いたい。

でも、和くんのことも大好きで、どっちかなんて言いたくない。

「･･･違う。」

加「ん？」

成亮に、そんな悲しい顔をさせたいんじゃないの。

・

・

・

・

「和くんが、好き、なの。」

最低だ。私。

成亮のことが好きなのに。

なんで…？

ホントに、最低。

加「知ってたよ。」

止めて。

そんな悲しい笑顔が見たかったわけじゃないの。

ごめんね、成亮。