別に、聞いてないけど。 (ページ24)

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にじゅういちページ24

増「もう、Aっ!!笑」

まっすーと付き合い出して3ヶ月が経った。

あの日から慶ともシゲアキくんとも話してない。

そんなことが、当たり前の日常になっていた。

その日常は突然、消えた。

小「A……」

まっすーといるとき、消え入りそうな慶の声がした。

ふり返りたく、ない。

「まっすー、うるさい～笑」

聞こえてないふりをしてマッスーと話す。

小「Aっ‼」

今度は、叫ぶから聞こえないふりなんて出来ない。

ふり返ると、泣きそうな慶。

「……ぇ？」

小「ちょっと、来い。」

手首を掴まれて逃げられない。

「離してよ、ねぇ、慶‼」

そんなことを言っても離してくれる訳でもない。

小「俺のこと、好きなんじゃなかったの？」

突然止まったかと思ったらそんなこと。

好き、だよ。今も、好き。

でももう、そんなこと言える訳もない。

「もう、無理でしょ？

もう、好きじゃない。」

自分の声だとは思えない程冷たい声。

小「俺は、好きだよ。」

……は？

今、なんて……？

「なに、言ってるの？」

小「俺は、Aのこと好きだよ。」

今更、そんなこと言われても戻れない。

戻れるなら戻りたい。

あの恋をまたしたい。

「今更言わないで。

もう、無理だって。」

泣きそう。

小「まっすーのこと、好きじゃないでしょ。」

好きだよ。好きだよっ!!

「好きじゃなかったら、付き合ってないから。」

でも、慶の方が好きなんだ。

まっすーは慶を忘れるための人。

そんなの、酷いよね。

でも、そうなの。

小「俺と、付き合えよ。」

なんでそんなこと言うの？

「もう、無理だよ……

じゃあね、慶。」

走ってその場から逃げると角を曲がったところにはまっすーがいた。

なんとなく、話せなくて逃げた。

「……っ」

私の幸せ、壊さないでよ。