わらべとじじさま1 ページ7
８月。
現世、というところでは日本は、夏というきせつに入っているそうだ。
ははさまのへやにいくと、ははさまは¨かれんだー¨というものをだして、そう、教えてくれた。
このばしょには、四季というものがない。
だから、私はははさまのおはなしをきいて、いつも想像をふくらませるのだ。
しかし、ははさまはさいきん、おつかれだ。
私がお部屋にいくと、お目をまっかにはらして、いつもまるくなってねていらっしゃる。
そのときのははさまは、とても、ちいさくて。
私をおいて、きえてしまいそうで。
だから、いけないとわかっていても、ははさまをむりやりおこしてしまうのだ。
『ははさま』
「なあに？A」
ははさまはいつも、優しく私に笑いかけてくださる。
ははさま。だいすきです。
Aは、ずっと、いいこにしてます。
おはなしだって、がまんします。
だから
ははさま。ははさま。
……いなくならないでね。
・・・
部屋を出て、庭をながめていると、縁側に、三日月様が、おちゃをしているのがみえた。
三日月様は、おちゃをすすっては、そらをながめていらっしゃる。
すると、三日月様は私にきがついたのか、わたしにむかっておいでおいでをした。
私はとくにきょひもせず、そのおいでおいでにしたがう。
三日月様は、いつもと変わらず穏やかでいらっしゃった。
「主の所に行っていたのか？」
三日月様は、柔らかい声で、私にといかける。
私はこくりとうなずいた。
『でも、ははさまはおつかれみたいで……』
真っ赤にはれた目をみたら、なんだかそれは、自分のせいな様な気がして。
渡そうとしていた絵も、けっきょくわたせずじまいとなってしまった。
すると三日月様は私のあたまをなで、再び、青くすんだ空を見上げた。
「そうさなあ。主は、少々歩き疲れたのかもしれん。」
『え？』
にこり、と笑う三日月様。三日月様は、ゆっくりとはなしをつづける。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 327人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和歌＊(夜和＊)(プロフ) - 後兄弟はごきょうだい、と読んでいいのでしょうか？もしそう読むのでしたら御兄弟の方が適切だと思われます。もし違う意味で使われている単語でしたらすみません。 (2017年8月7日 23時) (
レス) id: 5d3d05546b (このIDを非表示/違反報告)
つばきのはっぱ(プロフ) - 推しがかっこよすぎてガチ泣きしました!!ありがとうございます (2017年8月7日 23時) (レス) id: 663604ad2e (このIDを非表示/違反報告)
すあま(プロフ) - Night Mare【B部】さん» コメント、ありがとうございます! ご指摘感謝です! (2015年11月3日 17時) (レス) id: 15959aaace (このIDを非表示/違反報告)
Night Mare【B部】(プロフ) - こんばんはです。いつも更新ワクワクしながら待ってます!いきなり申し訳ないのですが、「わらべとさもんじ」で、ほくそえむ。というところ、ほほえむ。のほうが優しい感じでいいと思いますよ〜あ、何か意図があったのなら申し訳ないです… (2015年11月1日 18時) (レス) id: 14ab1fb021 (このIDを非表示/違反報告)
すあま(プロフ) - 紅狐さん» コメントありがとうございます!!楽しく読んでいただけて、幸いです。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^ (2015年10月28日 23時) (レス) id: 15959aaace (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すあま | 作成日時：2015年10月20日 22時
