【刀剣乱舞】強い子弱い子、幼い子。

悲劇 ページ18

私が自らの異変に気がついて、三日がたった。

ふと覗いた窓から見える空は、薄暗く厚い雲に覆われている。


…………私の心も、晴れないままだ。

はあ、と大きく息を吐き、私はまた、床へと転がる。


このままじゃいけないことぐらい、分かっていた。
全ては自分が招いたことなのだから。
早く……うけいれないと、いけない。

これ以上、迷惑はかけられない。

そんな思考を頭では働かせていても、体と言うのは皮肉な位に正直なもので、瞼をとじれば、とたんに意識は浮上しはじめる。


……久しぶりに、父様と、母様のお顔が、見たい。

しかしそんな私を睡魔からひきもどすかのように、途端に本丸内は、騒がしくなった。

ドタドタ、というたくさんの足音。
その足音には確かな焦りが見えて、私もだんだんその不穏さを感じはじめる。

何…………?

心臓はけたたましくなり響き、私の頭には、途端に最悪な文字が、浮かび上がった。



「奇襲だああーーっ!!攻めてきやがったぞ!!」

必死に叫ぶ、青年の声。
それは、聞き覚えがあるもので。

時々に聞こえてくる悲鳴も。

すすりなくその声も。

「ある、じ………」

……弱々しく自らの主を呟く、その声も。


すべてがすべて、身近で、大好きな、刀剣様達の、声で…………


私の目の前は、真っ暗になった。

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