【刀剣乱舞】強い子弱い子、幼い子。

わらべのへんか ページ17

あれから一ヶ月。
私は一度も、自分の部屋から出ていない。

おもいかえしてみれば、確かにおかしかった。
ここには、四季もなく、年も月日もわからない。

しかし、たしかにははさまのじかんは、たっていた。

髪の白髪だって、少しずつ、少しずつ、ふえていた。
シワだって、ちゃんとふえていた。

でも、私は………?


私は、時間がたたなかった。
いつまでも、幼い童のままだった。

それはきっと、寂しさからか。

愛を求めた気持ちが、私の成長を妨げ、また、私に流れる付喪神の血が、それを催促させたのだろう。

それに気がついたとたん、私の中で、何かがプツリと切れた。

その日を境に、一週間、私の体には激しい激痛が走った。

息をするのさえもままならず、もがき、くるしみ、のたうちまわる。

それでも父様が泣きながら私にここを開けてくれ、姿が見たい、という言葉には答えず、蚊のなくようなこえで嫌とつげるのだった。

そして、今日。

体への激痛は引いたが、私は体に、違和感を感じた。

妙に、目線が高い。

立ち上がれば、今まで高くてとれなかったものが、易々ととれる。

舌だってうまく回るし、何よりあり得ないくらいにかみがのびていた。

ふと、私は棚にあった鏡を、おそるおそる、手に取ってみる。

かたくなに目を閉じていた私だったが、ゆっくり、ゆっくりと、父様から受け継いだ蜂蜜色の瞳を、開く。


そして、絶句した。



『…………………う、そ………』


そこにいたのは。

まだ、幼さがのこる、母様に似た女性だった。

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