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つるとやげん ページ15

____秋の深まる、昼下がり時。

一匹の鶴は、柱に身をもたれかけ、ふと、考えに浸る。

……_____今日も、あの子は来るだろうか。

神と人間の間に生まれた、禁忌の哀れなやや子。

最早やや子を、なんと種族(なまえ)でよべばいいかだなんて、誰も、わかりはしない。

鶴丸は空をあおぎ、ふと笑みをこぼす。
「……可哀想なことだとは思わないかい。……薬研よ。」

鶴丸が振り向くと、襖からは、一人の少年…………薬研藤四郎が顔をひょっこりと出した。

その表情は、苦笑ぎみである。

「……気づいてたのか。」
「バレバレだぞ。」

鶴丸はニヤリと笑い、薬研は、やれやれとため息をつく。
そして、鶴丸の隣へと腰を下ろすと、問いを問いで返した。

「……で。可哀想とは。いったい、誰のことだ?」
「相変わらず嫌なやつだなあ。お前さんは。」

鶴丸はハッと、自嘲気味に笑う。
しかし、その目は真剣、そのものだ。

「父母の空気が悪い。……大方、Aのことについてだろう。……薬研、お前も気づいてるだろ?」

「……ああ。」

薬研は素直に首をたてにふる。
そして、震える声で、鶴丸に告げた。

「それに、本人は気づいていない様だが……若干、体の成長に、乱れが見えた。」

鶴丸は目を見開く。

「そりゃあ……どういうことだ?」

やげんは、ふう、と一息置くと、再び口を開く。

「人間の血に、神の血が混ざりあった影響とでもいうのか……恐らくだが、裳着の齢が、限界か。」

「そりゃあ、どうにもならないのかい?」
「…………」

黙りこむ薬研に、それが肯定だということを、鶴丸は悟る。

そして、不運なことに、その場に¨もう一人¨の客人が居たことに、鶴丸はやっと、気がついたのだった。


〜〜〜〜〜〜〜

裳着は、元服、成人と同じ意味合いで年齢としては12歳〜16歳に当たります。

わらべとしんじつ→←わらべとさもんじ



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和歌*(夜和*)(プロフ) - 後兄弟はごきょうだい、と読んでいいのでしょうか?もしそう読むのでしたら御兄弟の方が適切だと思われます。もし違う意味で使われている単語でしたらすみません。 (2017年8月7日 23時) (レス) id: 5d3d05546b (このIDを非表示/違反報告)
つばきのはっぱ(プロフ) - 推しがかっこよすぎてガチ泣きしました!!ありがとうございます (2017年8月7日 23時) (レス) id: 663604ad2e (このIDを非表示/違反報告)
すあま(プロフ) - Night Mare【B部】さん» コメント、ありがとうございます! ご指摘感謝です! (2015年11月3日 17時) (レス) id: 15959aaace (このIDを非表示/違反報告)
Night Mare【B部】(プロフ) - こんばんはです。いつも更新ワクワクしながら待ってます!いきなり申し訳ないのですが、「わらべとさもんじ」で、ほくそえむ。というところ、ほほえむ。のほうが優しい感じでいいと思いますよ〜あ、何か意図があったのなら申し訳ないです… (2015年11月1日 18時) (レス) id: 14ab1fb021 (このIDを非表示/違反報告)
すあま(プロフ) - 紅狐さん» コメントありがとうございます!!楽しく読んでいただけて、幸いです。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^ (2015年10月28日 23時) (レス) id: 15959aaace (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すあま | 作成日時:2015年10月20日 22時

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