無感情ブラック【刀剣乱舞】

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「ブラック本丸、ですか。そこに行くことが、私への罰になると？」




　穏やかな笑みを携える管狐を見つめながら、私はそう問いかけた。




「はい。そうあなた様の主には伺っております。ブラック本丸とは過酷な場であるから、そこで働くことがあなた様への罰になるだろうと」

「ブラック本丸のことについては、私も説明を受けました」




　曰く、人に酷い扱いを受けたがために、人を憎んでしまった神がいる場所。だったはずだ。

　罰当たりな人間もいるものだと思ったが、神への信仰が薄れてしまった現代としては、そう珍しくないのかもしれない。




「ですが、ブラック本丸の建て直しに成功した審神者も何人もいると聞きました。マスターは私を処分されるおつもりなのですから、その理論はおかしいのでは？」

「ブラック本丸と一口にいいましても、色々ございますから。それに、あなた様のご主人はあなた様を処分されるおつもりはないようですよ？ 存分に役立ててくれと仰っていました」

「しかし私は罪を犯しました。故に、処罰されるべきです。そういう決まりなのですから」




　そういった私に、こんのすけは怪訝そうに首を傾げた。




「私にはその“罪”がそんなに重いものだとは思えないのですが……とにかく、あなた様にこれから向かって頂くところはブラック本丸の中でも指折りの問題児が集まるところ。第三次世界大戦で大いに活躍したあなた様には、ぜひに向かって欲しいところです。ささ、お早く」

「……了解しました」




　どうにも不服だった。マスターは私を生かすおつもりなのだろうか。

　……否、そんなことは有り得ない。いついかなるときも、私たちはイレギュラーを認めないのだから。それはマスターとて同じことだ。


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