9話 ページ7
くくくと笑いを忍ばせながら、ホームズは近くの紙ナプキンを手に取った。
胸ポケットから取り出したペンで書いた文字は『ベイカー街221』
「上等だぜ、お姫様」
「彼方の
「で？アンタの名前は？」
「Aよ。よろしく。シャーロック・ホームズ」
＊
マネーペニーが持ってきた情報にルイスはポカンとしてしまった。
「もう一度良いですか？今、なんと？」
「Aはシャーロック・ホームズと契約を結びました。彼を使ってレディの
いったい何がどうなったらそうなる。
「アルバート兄さんは、ずいぶん楽しそうですね」
「まさか、ホームズを引っ張り出してくるとは思っていなかったからね。私も
アルバートは、
「やめさせてください！もう我が家のいざこざに巻きませたくなくて、突き放したんですよ！？」
あの日、堪えきれず
もし。もしもまたどこかで会えたら、今度こそ君を守る。
そう、誓ったのに。
守れなかった。また、泣かせた。
また、突き放すことしか出来なかった。
「兄さんも何とか言ってください！」
「浮気性の恋人を持つと僕も気苦労が絶えないよ」
優雅に紅茶を飲みながら、ウィリアムは笑った。
「兄さん……！」
「まぁ、冗談は置いておいて」
ウィリアムはティーカップをソーサーの置いた。
「ホームズとの契約は悪くない」
「どういう意味ですか…？」
ルイスの勢いが止まった。
「Aが依頼人である以上、ホームズはAを守る。こちらもフレッドの一件以降、護衛はつけていたけれど、表立って動き回れるホームズがついてくれていれば尚安全だ」
「そうでしょうか」
ん？と、ウィリアムが顔をあげると、ルイスの目が
「兄さんへの無礼な態度といい、あんなガサツな男は僕の手で
会議が終了した部屋にはマネーペニーとウィリアムだけが残った。彼女らしからぬ、とまどったった表情で「少しお時間を…」とウィリアムに声をかけたのだ。
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ゆりあ(プロフ) - 一気読みしてしまう程素敵なお話、ありがとうございます！各キャラが光り、ロマンスと悲劇、そしてシャーロック・ホームズのシリーズ独特の空気感が本当にバランスがよく混ざっていて、1回だけの評価じゃ物足りないです。これからも楽しみにしています！ (2020年11月3日 9時) (
レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
may - 面白いです！ (2020年6月23日 12時) (レス) id: f06d3bd476 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈(プロフ) - 面白くて最初から一気読みしました！オリジナルの要素が面白く、かつ世界観やキャラの雰囲気はそのままで、これから先もとっても楽しみです。星10を1回しか付けられないのが残念です。応援してます！ (2020年6月17日 21時) (レス) id: a9fe05af76 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - とても素敵なお話に一気に読んでしまいました。とても2人の行く末がきになります！お身体に十分気をつけて、頑張ってください。 (2020年4月4日 19時) (レス) id: e522c50a47 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ななしさん» ななし様へ ご指摘ありがとうございました。訂正しました。 (2020年3月31日 17時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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