8話 ページ6
「お？おぉ？？」
「ちょっとこっちに来て！貴方、私立探偵なんですよね」
「まぁな」
Aの勢いに押されぎみである。
「お金を払えば問題を解決してくれる」
「それが俺の仕事だからな」
「貴方を
「は？」
今度こそ、ぽかーんとホームズはAを見ていた。
よほど意外だったのだろう。
「12日の正午。グリーンガーデンに来るレディという女性がモリアーティ家当主アルバート・J・モリアーティ伯爵に
依頼内容を聞いたせいかホームズにいつもの調子が戻ってくる。
「あ？なんだ、そりゃ。愛人とのもつれ話か？」
「違う！」
睨み付けるが、ホームズは笑うばかりだ。
「覚えてるでしょう。数ヵ月前モリアーティ家当主が行方不明になった一件。私もその場にいたの」
Aは袖で頬の化粧を落とした。
すると、今もうっすらと残る刀傷が
ホームズの目が輝き出す。
「へぇ、つまりその犯人がまた伯爵に接触しようとしてるわけか」
「前金はこれで」
「へぇ〜？」
昼間、モリアーティ家から渡された口止め料をまるごと渡すとホームズは更に楽しそうに目を細めた。
「なに？」
「いや、気が強い女の必死な顔もいいな。そそる｣
｢はぁあ？｣
変わった好みだ。
「気が変わった。これは成功
渡した金を突き返され、Aは
こういう変人は常識が通じない。
何を言われるのか思わず身構えていると、ホームズはそれさえ楽しむようにAの
「キスしてくれよ。アンタから」
今にも噛みついて来そうなホームズをAは睨み付けた。
「狂ってる！」
ありったけの暴言を吐いたつもりだったが、ホームズはこの状況を楽しんでいる。
私が泣けばウィリアムが出てくる。
そう思っているんでしょうけど、おあいにく様！！
とっくに縁なんか切れてるんだから、何も出てきやしないわよ！
「逆よ。」
「あ？」
「私の依頼をクリアしたら報酬としてキスでも何でもしてやるわ！」
「へぇ…」
顎をつかんでいた手が首筋を通り胸に伸びて来る。
それに声を上げず、ホームズを睨み付け続けた。
「つまり、あんたからのキスはこの硬貨より価値があるって？」
「そりゃそうでしょう。」
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ゆりあ(プロフ) - 一気読みしてしまう程素敵なお話、ありがとうございます！各キャラが光り、ロマンスと悲劇、そしてシャーロック・ホームズのシリーズ独特の空気感が本当にバランスがよく混ざっていて、1回だけの評価じゃ物足りないです。これからも楽しみにしています！ (2020年11月3日 9時) (
レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
may - 面白いです！ (2020年6月23日 12時) (レス) id: f06d3bd476 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈(プロフ) - 面白くて最初から一気読みしました！オリジナルの要素が面白く、かつ世界観やキャラの雰囲気はそのままで、これから先もとっても楽しみです。星10を1回しか付けられないのが残念です。応援してます！ (2020年6月17日 21時) (レス) id: a9fe05af76 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - とても素敵なお話に一気に読んでしまいました。とても2人の行く末がきになります！お身体に十分気をつけて、頑張ってください。 (2020年4月4日 19時) (レス) id: e522c50a47 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ななしさん» ななし様へ ご指摘ありがとうございました。訂正しました。 (2020年3月31日 17時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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