3話 ページ1
「モランさん！」
「フレッドは？」
「今、治療中です」
よほど急いで来たのか、モランは大きな体を勢いよくソファーに預けた。
「悪いがどこでどうフレッドを見つけたのか話せるか？」
「はい。ジョン…、ええっと、私の友人なんですけど、彼と会う約束をしていて、待ち合わせ場所である近所の教会に行ったんです」
詳しい場所を知りたがるので、紙に簡単な地図を書いて渡すとモランはあからさまに眉をひそめた。
「到着したときには誰もいなくて、ジョンを待つついでにお祈りをと思って歩いたら、フレッドさんが…」
「周りには誰もいなかったんだな？」
「はい。すぐにジョンが来て、2人でここへ運んだんです」
「そのジョンってヤツは？」
「あ。逃げました」
貴族の御用達の病院なんて胸くそ悪い！と、すぐに出ていってしまったのだ。
貴族をよく思っていない、ジョンらしい…。
「お待たせしました。貴方はモリアーティ家の方ですか？」
「モランと言います。フレッドは…」
「患者さんは無事です。」
その一言にほっと息をはくが、医師はどこか困惑ぎみなのがわかった。
「…と、言うよりここに運び込まれる前、既に治療が
「「え？」」
「医療従事者。それもかなり腕のいい医者によるものでしょうね。でなければ、患者さんの命は既になかった。」
それはどう言うことだろう。
治療をして、教会に放置した？
何のために？
それともどこかで治療を受けた後、フレッド自身の力で教会までやって来たか。
どちらかというとそちらの方がしっくり来るような…。
でも、モリアーティ家とあの教会は全く違う位置にある。
どこに行こうとしていたのか。
「それでも、目覚めるまでは安心できませんので、そのおつもりで」
「はい、ありがとうございました」
「ああ、そうだ。アルバート様宛てのモノが彼の着衣の中に。お渡しいただけますか」
モランが受け取ったそれを隣から覗き込むと、宛名書きが…。
「女の人の字ですね？」
モランは
『愛するアルへ。
貴方のワンちゃんが死にかけていたから助けてあげたわ。
お礼はグリーンガーデンのストロベリーパフェで良くってよ。
12日の正午、待っているわ。
レディ』
「レディって！」
じゃあ、腕のいい医者って…、クロック！？
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ゆりあ(プロフ) - 一気読みしてしまう程素敵なお話、ありがとうございます！各キャラが光り、ロマンスと悲劇、そしてシャーロック・ホームズのシリーズ独特の空気感が本当にバランスがよく混ざっていて、1回だけの評価じゃ物足りないです。これからも楽しみにしています！ (2020年11月3日 9時) (
レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
may - 面白いです！ (2020年6月23日 12時) (レス) id: f06d3bd476 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈(プロフ) - 面白くて最初から一気読みしました！オリジナルの要素が面白く、かつ世界観やキャラの雰囲気はそのままで、これから先もとっても楽しみです。星10を1回しか付けられないのが残念です。応援してます！ (2020年6月17日 21時) (レス) id: a9fe05af76 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - とても素敵なお話に一気に読んでしまいました。とても2人の行く末がきになります！お身体に十分気をつけて、頑張ってください。 (2020年4月4日 19時) (レス) id: e522c50a47 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ななしさん» ななし様へ ご指摘ありがとうございました。訂正しました。 (2020年3月31日 17時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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