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60話 ページ10

「2人に迷惑かけるようなことはしないで!」
「迷惑かけてるのはお姉ちゃんでしょ。私は何もしてないよ。」

言葉に詰まるとつまらなそうな顔をした未来は、ひらひら手を振りながら、じゃあーねと去っていった。

一体、なんだったんだろう…。

「・・・おはよ。治君、侑君」
「おはようさん。大丈夫か?」

何かしら未来から事情を聞いたのだろう。
険しい2人の表情からそれは簡単に推測(すいそく)がついた。

けれど、今は触れてほしくない。

「うん!昨日、美咲先生から電話までもらちゃったし!元気でたよ」

嘘の中に本音が混ざると、意外と綺麗(きれい)に笑えるものだ。
けれどそれも長続きしないと知っているAは早々にその場を離れることにした。

「あ。私、職員室に行かないといけないから行くね」
「待ち。・・・俺に何か言うことはないんか?」

あまり聞かない、治の低い声。
怒っているわけではない。
心配しているのだろう。それは簡単に予想がついた。
けれど、それと上手に向き合う方法がAにはまだわからない。

「ううん、大丈夫!!またね」

ひらひらと手を振り、Aは逃げるように職員室に向かったのだった。


この日。
結論から言えば、何もなかった。
綾、梨奈、沙耶は自分と親しくしていた時間さえなかったような態度で、嫌味を言ってくることもなければ、謝罪(しゃざい)してくることもなかった。
いわゆるシカトと言うやつなのかもしれないが、今のAにはどうでもよかった。

ただ、他のクラスメートが気を使い普段より良く話しかけてくれたという印象だけが残っている。

お昼ご飯どうしよう・・・。
4限目の終わり、そんな事を考えていた。

治が誘いに来てくれるのはわかっていたが、何を話したらいいのかさえ、もう、わからなかった。愛想笑いでやり過ごす事さえ苦痛(くつう)だった。

そして、私は逃げた。

人気がない建物の影で1人になるとようやく安心が出来た。
治の事は好きだ。
けれど、なんだか疲れた・・・。

いつもと同じように作ったはずの弁当。
それを機械のように口に運んでいると、たまたま通りかかった男子生徒と、バチっと目が合った。

「き、北先輩!?」

反射的に思わず立ち上がると、北は不思議そうに周囲を見回した。

「珍しいな」

Aが1人で食事を取っているのが珍しい。そう言いたいのは何となくわかった。
ここのところ、昼食の時は双子か綾達が一緒だった。

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作品ジャンル:アニメ
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飛燕(プロフ) - 更新が遅くなってすみませんでした (2019年5月30日 6時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか - 勉学頑張って下さいね、次の更新も楽しみに待ってます! (2019年1月6日 20時) (レス) id: b3131cf386 (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - はい!更新頑張ってください!!! (2018年10月8日 18時) (レス) id: 98b5dd73cd (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 更新が遅れまして申し訳ありません。試験が続き、ばたついていましたが、引き続きよろしくお願いします! (2018年10月6日 20時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年8月29日 21時

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