59話 ページ9
治が通話ボタンを押そうとした時だ。
ロードワークから戻ってきた銀が「侑〜。治。客が来とるで」と声をかけた。
客という言葉に首を傾げながら校門へ向かうと、中学の制服を着た未来が立っていた。
「お。妹やんけ。おはようさん」
治が気安く声をかけると、未来は「おはようございます。」と軽く返事を返し、侑に向き直った。
「初めまして。Aの妹の未来です」
「似てへんなぁ!
侑の方がタイプ。と、公言していただけのことがあって、侑の別嬪発言に頬が
「姉ちゃんどうかしたん?連絡が取れへんのや」
「男と遊ばせるわけに持たせてるわけじゃないって、スマホを取り上げられました」
「はぁあ?」
流石にそれは想定外だった。
「・・・何やっとんねん。アイツは。しっかり者に見えて実はドジっ子か」
「ドジっ子は今関係あらへんやろ」
同じ顔が言い合っている。
Aには見慣れた光景でも、未来には
「治君心配してるかなと思って、お姉ちゃんは、どうせ壊れたとかしょうも無い嘘つくと思うので」
「わかった。俺の連絡先も教えるから、なんかあったらまた教えてくれへんか?」
治が携帯のLINE画面を開こうとすると、未来はにっこり笑って侑に携帯を差し出した。
「は?なに?」
「私。侑君の方がタイプなんです。デートの約束してくれるなら連絡先教えます」
「あんた・・・。ホンマ、あれの妹なん?」
ちゃっかりした未来の態度に、流石の侑も苦笑いだ。
「
「いや、なら聞かんでもええ」
「する!します!!なんなら、今から連れてってもええで!」
引き気味の侑を治がグイッと差し出した。
「ふざけるなや!サム!!」
「男を見せるところやで、ツム」
「
「アンタいくつや・・・」
しゃあしゃあとした態度に呆れたその時、「未来!!」とAが走ってきた。
未来を見かけて慌てて走ってきたのか、はあはあと肩で息を繰り返している。
「あ。失敗」
ちぇっと携帯をしまった未来相手にAは眉を吊り上げた。
「なんでこんなところにいるの!やけに早く出るなと思ったら!」
「お姉ちゃんこそ、学校来るの早くない?」
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飛燕(プロフ) - 更新が遅くなってすみませんでした (2019年5月30日 6時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか - 勉学頑張って下さいね、次の更新も楽しみに待ってます! (2019年1月6日 20時) (レス) id: b3131cf386 (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - はい!更新頑張ってください!!! (2018年10月8日 18時) (レス) id: 98b5dd73cd (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 更新が遅れまして申し訳ありません。試験が続き、ばたついていましたが、引き続きよろしくお願いします! (2018年10月6日 20時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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