70話 ページ20
スマホも持っていないのに。
自然とスマホで連絡と思っていた圭子は、はっ！っとその事を思い出した。
Aのスマホは、引き出しの中で眠っている。
じわじわとやって来る
「まだその辺りにいるわよ。探しましょう。ね！？」
宮家は兵庫でも中央側に位置する。
都会ではないが、生活に困ることはない。
幸い通学には不便がない程度のバスが通っているが、住宅街に入るまでには、街灯しかない場所も所々に見られた。
堂々とした門構えの家のインターフォンを鳴らすと、すぐに返事があった。
『はーい！どちらさま？』
「マザー。Aです」
『Aちゃん！？どないしたん！ちょっと待っとって！』
慌てた様子で、玄関のドアを開けた環は、Aの顔を見て心底驚いたような顔をした。
「こんな時間にどないしたの！こんなに寒いのに！早う、部屋に上がり」
ほらほら、と腕を引かれ入った玄関に治の靴はなかった。
「あの、治君は・・・」
「まだ帰ってへんけど、なんか約束してたん？」
「してないんですけど、その・・・。待たせてもらっていいですか」
間も無く20時になろうとしている。いくら付き合っているとはいえ、常識に考えて、「帰りなさい」と言われても仕方ない。
返事が怖くて
「ほら、早う上がっておコタ(＊コタツ)にあたり」
桜柄の
コタツ中に猫でもいれば完璧なのだろうが、あいにくペットを飼っていない。
「ああ。こんなに冷えて。可哀想になぁ。」
環がひんやりと冷えた頬に手を当てると、日常的に水仕事をしている環の手の所々にあかぎれが出来ているのが目に入った。
「せや！甘酒飲まへん？うちの大好物なんやけど、あの子ら飲んでくれへんのよ」
「あはは。甘ったるいとか言いそうですもんね」
「わかってくれる？ホンマ可愛くないやろ〜？ちょっと待っとってね。」
うきうきしながら台所に行ってしまった環を見送り、時計を見上げた。
もう、部活は終わっている。
きっと、バス停に向かうか、レギュラーメンバーでジャレ合っているかだろう。
「おまちど〜さま！」と言うわりにはたいした時間が経っていない。
ひょっとして、あらかじめ温めてあった分なのかもしれない。
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飛燕(プロフ) - 更新が遅くなってすみませんでした (2019年5月30日 6時) (
レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか - 勉学頑張って下さいね、次の更新も楽しみに待ってます！ (2019年1月6日 20時) (レス) id: b3131cf386 (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - はい！更新頑張ってください！！！ (2018年10月8日 18時) (レス) id: 98b5dd73cd (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 更新が遅れまして申し訳ありません。試験が続き、ばたついていましたが、引き続きよろしくお願いします！ (2018年10月6日 20時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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