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69話 ページ19

「でもなぁ、コートから下りればタダの小僧や。こんなにあっちこっちに取り上げられて、可哀想に。高校最後の年や。重圧(じゅうあつ)半端(はんぱ)ない。(つぶ)れなええけどなぁ」

そんなものだろうか。所詮(しょせん)、部活だろうに。
帰宅部だった自分にはよくわからない。

「せや。興味があるんやったら今度試合観に行かへんか?生で見る迫力(はくりょく)はテレビなんかとは比べもんにならへんで」


上司からの誘いを断り、モヤモヤした気分で帰宅した達也に意外なことが起きた。

「お父さん。話があるの」

Aがリビングで帰宅を待っていたのだ。

スマホを返せというのか、付き合いを認めろというのか。
うんざりしていると、「治君の練習試合を見にきて欲しいの」と訴えてきた。

なんなんだ。今日は。

「雑誌とかテレビじゃなくて、ちゃんと治君を見にきて欲しい。試合を見ればどういう人かすぐにわかるから」
「父さんは、忙しいんだ。」
「治君、今すっごく頑張ってる!高校最後の年だし、周りからの期待も大きくて・・・。でも、日本代表に入るって目標のために必死で頑張ってる!!反対するなら試合を見てからにして!」
「じゃあ、父さんに認めてもらうために、お前は何をしているんだ?」

イラつきのあまり投げた言葉に、Aの目から力が失われていくのがわかった。
失敗した。
内心では後悔しながら部屋で着替えていると、妻の圭子が眉を吊り上げて後を追いかけてきた。

「あなた。いくらなんでもアレは・・・。あの子だって勉強を頑張ってるし、昨日の事は男の子の達には一切責任が無いことだって説明したじゃない」

またその話か・・・。
いい大人が子供の恋愛話に振り回されてどうする。

「もうその話はしないでくれ。疲れているんだ。考えたくもない」
「・・・今のあなたは意地になってるだけよ。」

怒りと困惑(こんわく)が入り混じった圭子の顔に、達也が口を開こうとした時、ドタドタ大きな足音が聞こえたかと思えば、部屋のドアが思いっきり開いた。

「お母さん!お母さん!!」
「どうしたの?」
「お姉ちゃんが・・・、家出しちゃった」

それまで困惑していた未来は、達也を見つけた途端、眉を吊り上げた。

「お父さんのせいだから!お姉ちゃんの話、全然話聞いてあげないから!!スマホも持ってないのにどうするの!!?」

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作品ジャンル:アニメ
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飛燕(プロフ) - 更新が遅くなってすみませんでした (2019年5月30日 6時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか - 勉学頑張って下さいね、次の更新も楽しみに待ってます! (2019年1月6日 20時) (レス) id: b3131cf386 (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - はい!更新頑張ってください!!! (2018年10月8日 18時) (レス) id: 98b5dd73cd (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 更新が遅れまして申し訳ありません。試験が続き、ばたついていましたが、引き続きよろしくお願いします! (2018年10月6日 20時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年8月29日 21時

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