64話 ページ14
「んー。ケチャップ味やで？」
「ひ・ど・い！！」
思いっきり
「昼飯の邪魔して、すまんかったな。」
そう言えば・・・。
「治君、お昼ご飯は？」
「気にせんでもええわ。一緒に帰りたいんやけど、今日も部活の終わりが遅くなりそうなんや。新レギュラー選抜も近いしな。すまんな」
「平気。心配してないけど、頑張ってね。」
「おー。まかしとき」
いつも通りの空気にホッとした。
もっと一緒にいたい欲がむくむく沸き起こってくるが、それはぐっと我慢した。
「あの、未来から聞いたかもしれないけど、今スマホが無くて連絡取れないの。それに関しては心配しなくても大丈夫だからね」
「了解や。ほな、ホームルームが終わったら6組に行くわ。校門までやけど、送ってく」
「子供じゃあるまいし・・・」
「行きます。待っとって」
「ハイ」
ぽんぽん、大きな手で頭を撫でられた喜びが全身からむずむずと沸き起こり、飛び上がらんほどだった。
待ちに待った放課後。
大人しく教室で迎えを待っていると、治が顔を出した。
「帰るで」
「うん！」
忘れ物はないか、一応机の中を覗き込んだ時、何やら視線を感じた。
綾だ。
バツが悪かったのか、ふいっと顔を背け、梨奈と沙耶の方に歩いて行った。
「どないした？」
「あ！ううん。なんでもないよ。帰ろ」
治が差し出してきた手を繋ぐ。
周囲からの視線を感じたが、今日くらいは甘えたかった。
あ。そうだ、あのこと聞いてみようかな。
「ねぇ、治君。次の練習試合って決まってる？」
「あるで。まぁ、新レギュラーを決めるためのもんやから、今のベンチ入りメンバーは、あんま出番なさそうやけどな」
「そうなんだ・・・」
そっか。確かにそういう時期だ。
そう言えば、次の主将は誰なんだろう。そろそろ
倫君あたりかなぁ・・・。
でも、倫君ってそういうの面倒がるタイプだよね・・・。
うーーー〜〜ん・・・。
「なんで？」
「あ・・・、えっと。治君がバレーしているところ、お父さんに見せたかったの」
途端だ。治の空気に少し緊張が走ったような気がして、顔を上げた。
「・・・ちゃんと聞く。家でなにがあったんか詳しく教えてくれへん？」
「でも、重くない？」
「重いって、なに？」
「だって、私、婚約者とかじゃないよ？相手の家族って・・・、重くない？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
飛燕(プロフ) - 更新が遅くなってすみませんでした (2019年5月30日 6時) (
レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいか - 勉学頑張って下さいね、次の更新も楽しみに待ってます！ (2019年1月6日 20時) (レス) id: b3131cf386 (このIDを非表示/違反報告)
メグミ - はい！更新頑張ってください！！！ (2018年10月8日 18時) (レス) id: 98b5dd73cd (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 更新が遅れまして申し訳ありません。試験が続き、ばたついていましたが、引き続きよろしくお願いします！ (2018年10月6日 20時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
