-38-『人の姿をしたサンドバッグをくだサイ』 ページ39
Aはどこからか木刀を取り出し、少年を殴りつけた
「や…やった！！！」
しかし、
(Aの攻撃が届いてない！？)
「………？」
余裕な表情の少年とどこか不思議そうな顔のA
(思ったより固いが……この感覚どこかで…。もう少し叩いてみるか)
そしてAは勢いよく木刀で見えない壁を叩き出した
「無駄だよ」
”バミューダアスポート”！！！
「シスターさん！！！」
Aの腕やら脚やらをナイフが刺さり、掠り、傷を作る
その様子を、Aは漠然とした表情で見ている
ドゴン、と大きな音を立て、木箱の上に落ちる
(…Aの攻撃は全く効かない…。向こうの攻撃は速すぎて見えない…。何だあいつは！！)
「そんなスピードじゃカフカはだませてもボクの攻撃は防げないよ」
そういって少年は腕を振るう
”バミューダアスポート”！！
目を瞑ったままふらりと立ち上がったAは一瞬ピタリと動きを止め、横に軽いステップを踏んだ
すると、先程までAがいた場所に巨大な鉄球が落ちてきた
「………ピンポーン。当たり、キミなかなかやるねぇ…」
「敵に褒められても胸糞悪いっていうか気持ちが悪いダケだから止めてクレル？」
敵にまで辛辣なシスターと
「こっ…こんな大きなモノ…。さっきまでなかったのに…！！」
「…おいおい、一体どこから出現させた……？」
敵の多彩な攻撃に驚くイヴとクルス
「なんならハトも出そうか？……そうだ！
次は胴体をまっぷたつにしてあげようか？もちろんタネなしでね☆」
驚く二人を見てどこか得意気になる少年
「あ、じゃあ人の姿をしたサンドバッグをくだサイ」
「何頼んでるんですかシスターさん！！？」
いやだってマジックはタネあるもんダロタネ明かしたいんだよ、というような目をクルスに向けて、ハッとした顔になるA
「ああ、ごめん。もう既に人の姿をしたサンドバッグを神様に貰ってたヨ」
「はっ？」「「えっ？」」
「なあ、マジシャン君………？」
口元がきれいな弧を歪に描いた
-39-『な…なんですって…！？』→←-37-『なんか色々残念です……』sideシスコン少年
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作者名：軍時 | 作成日時：2015年3月25日 22時
