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-28-『優しいやつなんだよ…記憶力とかはないけど』 side死神修道女 ページ29

あのジジィの話を聞いてイヴが何を思ったのかは、ボクにはわからない

ただ、同情はしてないだろう
ボクだって、別に同情とかしてないし

ただ、一生懸命、今日まで生きてきたんだと思う

でも、あいつがシメオンに殺されたなんて、ありえないと思った

まあ、どうせあのジジィの予測

予測はあってたりあってなかったりするものだから気にしなくてもいいだろう



「おい」というイヴの声が聞こえた

あいつは記憶力とかない、バカ、すぐに手ぇ出す、見捨てる、とか女とは思えない(ブラックスポットに女男関係無いけど)やつだけど



「男なら…、シャキッとしなさいよ」



でも、優しいやつなんだ

今だって、クルスの姉に、変身してクルスのことを慰めちゃってるもんな


「……ぼくらはシメオンの一味じゃない…。証明することはできないけどな」


そう言ってそっとロケットペンダントを返している姿を遠目から見ながらカフカの死体を埋めておく


「悪いな…。ぼくにしてやれるのはこのくらいなんだ」

姉さん…と言って姉(イヴ)の胸で泣きじゃくるクルスを見て、少しだけ羨ましく感じる

もしたまたま助けた女性が、実は自分の親でしたーとかだったら、自分は今のクルスのような状態になるのだろうと思う





……そんな存在、ボク等にはいないけど




「イヴ……」

だが、もう一度言っておこうと思う



「山田…」



「「ぶっ」」
「ハア。アホイヴが……」

「うわあああん!!!」

と叫びながら何処かへ走っていく少年

「うわーーーーまてーーーーーっ!!!」

と焦りながら少年を追いかけるアホ女

「「この役立たず!!」」

と切れる切れる暴力神父&ジジィ

「ハア」

と呆れる修道女





―イヴは記憶力とかないんだよ

-29-『残念だけど』→←-27-『ロケットペンダント』



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作者名:軍時 | 作成日時:2015年3月25日 22時

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