歷史ノ埋メ方左大臣編 (ページ2)

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そんな髙田は今、大きな扉の前に立っていた。この扉の向こう側には、あの６人がいるのだ。

国の頂点といっていい６人が。

髙田はごくりと、唾を飲み込んだ。

これから正院は7人になるのか。─まぁ公には６人だけど。

左大臣は大変なのだろうか。

裏での活動といっても、やることは山積みなのでは。

緊張していると、話し声が聞こえてくる。

何を言っているは分からないが、きっと私の話だろうな…。

髙田は大きく深呼吸をし、扉を開けた。

「失礼します、」

全員の目線が髙田に集まる。今すぐ帰りたいと思った。

「本日から、左大臣にっなることとなりました、髙田英と申します、」

よろしくお願いします、と髙田は深々と頭を下げた。

沈黙が流れる。

痛いほど視線を感じる。

今すぐ帰りたいと思った。

「…貴方の話は既に伺っております。どうぞこちらへ」

上座に座っている男性に優しく言われ、髙田はおずおずと空いている席に座った。

そしてすぐ、名前だけの紹介が始まった。

太政大臣・三条実美(さんじょうさねとみ)(公家)

左大臣・髙田英(たかだよう)(公家)

右大臣・岩倉具視(いわくらともみ)(公家)

参議・西郷隆盛(さいごうたかもり)(薩摩)

参議・木戸孝允(きどたかよし)(長州)

参議・板垣退助(いたがきたいすけ)(土佐)

参議・大隈重信(おおくましげのぶ)(肥前)

政府の有力者ばっかりだ。

今更だが、髙田は自分がここにいていいのか不安になってきた。