どうかしている、１ (ページ34)

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、

「このまま、消えてまいそうやねん。Aちゃん」

『…』

あかん…

『ｯ…大丈夫…です。』

必死に言葉にするけど
涙が先に流れ出す

泣いたら説得力ないし

「俺、Aちゃんに惹かれてる」

『え…』

「最初は、アイツに似てるだけの子しか思わんかったんやけど…気づいたらずっと目でおってて」

恭平…

「大ちゃんに…仕事でも辛い…」

さっきより、抱きしめている腕に力が入った

『恭平…くん』

この際、私はあの時のA
って言おうか
ずっと悩んでいた

恭平に体を動かされ、恭平と向き合う形に

「Aちゃんがここで働かんかったら、ここに居られへんのわかってるのに…」

『…』

何か言葉を発しないと、と思うけど
言葉が出てこない

「一方的でごめん。」

少し笑って、私から離れる

『いや…大丈夫です。』

こんな時に、こんな返ししか出来ない自分が悲しい

「ただ俺の気持ちは、嘘じゃないから。それだけは知っててほしい」

『はい。わかりました…』

あんな事知らなかったら
また、違う形で再会してたら
恭平と間違いなく付き合っていた

私も、恭平が好きだから

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